マンション管理士の独り言・・・462

「知れば知るほど、情けなくなる・・・北九州のマンション」

最近は福岡エリアからの内覧会同行依頼が増えています。
嬉しいことにご紹介が多いのです。
「つぶやき主さんの内覧会同行では、事前にそのマンションの管理規約や長期修繕計画を検証して2時間くらいかけて説明してくれると聞きましたので」

そうです。正解です。
内覧会を同行いただいた方へは管理規約だけではなく、契約書や重要事項説明書まで検証しちゃいます。
例えば管理規約ひとつ取ったって、素人の方がその内容を理解するのはまず不可能です。仮に法律に詳しい人で理解できたとしても、国交省が発行している標準管理規約とどこがどう違うのか?何故違うのか?最近分譲の他のマンションとどこがどう異なるのか?生活するうえで何を注意しなければならないのか?なんてことが分かるわけありません。
北九州と福岡に限っては、そんな芸当ができるのはいろんな新規マンションの管理規約の検証をしているつぶやき主だけだと思っています。
ですから、毎年倍々のスピードで内覧会同行のご依頼が増えてきています。

そして福岡エリアの新築マンションの管理規約などを見れば見るほど、北九州のマンション業界のだらしなさに呆れてしまいます。
北九州だけの立ち遅れなのか?知っていて襟を正さないのか?など意図は良くわかりませんがほんのちょっとご紹介します。

構造的な事に関して言えば、前回つぶやいたコンクリート強度を表す、水セメント比ですが、北九州では55%が標準ですが、福岡では50%が標準と言えるでしょう。
さらに床コンクリートの厚みは北九州では在来スラブで200mm、中が中空のボイドスラブで275mmが標準ですが、福岡ではそれぞれ230mm、300mmが標準サイズといえるでしょう。
また、置床なのは同じですが、ベースパネルの上に12mmのフロアー材という北九州仕様に対し、福岡ではベースパネルとフロアー材の中に鉛の入った消音材などが入っていたりします。これらは別に高額物件でなく、ごく標準的なマンションの仕様です。
実際に住んでみてからの階下への遮音性能は福岡の方が優れているのは間違いないと考えています。

管理規約に関して言えば更に差がつきます。
未販売住戸の取り扱いでは、福岡では未販売住戸すべての管理費・修繕積立金は勿論、駐車場を含む使用料は全て売主が初年度より負担します。
これに対し北九州では、「初年度はもし管理費が不足すれば不足分だけ補填してあげるけど、修繕積立金は知~らない。2年目に、もし未販売住戸あった時は仕方ないから負担するね。」というのが多くの売主さんのスタンスです。
それ以外にもさまざまな「あの手」「この手」で負担しなくていいような工夫と言えない、悪知恵を働かせています。

分譲駐車場なんて論外です。
福岡で分譲駐車場なんてやったら、消費者からブラックと名指しされて売れるわけありません。

また、契約時にわけのわかんない引渡事務手数料や事務手数料と称し52,500円取ったりなんてしません。必要になる場合は営業マンを経由して住宅ローンを申し込むときに限られます。

北九州のマンション事情は、売主さんが低いレベルで横ニラミし、「アソコもやってるからウチもしよう」「あんまり好ましくないけど皆で渡れば怖くない」って感じでしょうか。
これらのせいで1番泣いているのは、購入者です。

購入者が良いマンション売主を造るように、勉強しなきゃですよ。