マンション管理士の独り言・・・463

「建築費」

マンションの販売価格というのは、土地価格+建物価格+消費税で構成されています。
そして消費税は、土地価格にはかからず建物にしか課税されていませんから、消費税から割り戻せば建物の価格が算出できます。

仮に販売価格3000万円のマンションで、そのうち消費税が100万円ならば、100万円÷5%=2000万円が建物価格となります。
したがってこのマンションの価格内訳は、建物価格2000万円、消費税100万円、土地価格900万円となります。
さらに、このマンションの専有面積が85㎡だとすると2000万円÷85=235,300円。
このマンションの建物の建築に要する㎡単価は235,300円ということになります。

以前のマンションでは、価格表に消費税額が記載されていましたが、最近のパンフレットや価格表には消費税額は記載されておらず、単に税込としか書かれていません。
これじゃ建物の価格を比較しようと思っても出来ません。
同じ北九州市内で、設計会社もスズキ設計か、アトム建築設計かブラックスチューディオの3社くらいです。
建設会社は、約8割が福屋建設です。
土地代金と言うのはエリアや面積、向き、形状などによって異なってくるのは当たり前ですが、建築単価は同じ北九州市内で、しかも設計会社、建設会社も同じ、さらには材料費。工賃にもほとんど差がない状態です。
それならば高い方がそれだけ良い建物、設備、仕様というのが理屈です。

厳密に言えば建築単価も機械式駐車場の有無、共用施設の程度によって変わってきますが、それにしても購入しようと思っているマンションの建物のレベルはどの程度のランクかを調べる目安にはなります。

そこでつぶやき主がほんのちょっとだけつぶやいちゃいます。
現在分譲中のマンションから遡って3年くらいの間に建てられたものの中で1番建築単価(㎡単価)の高いものは、オークランド城内公園通りの342,600円。
続いてポレスターリーモの273,700円、そしてザハウス大手町エンブレムの272,000円。
さらにネクスタージュ高見七条弐番館、ベイトリア門司マリーズ、リヴィエール浅川学園通り、サンパーク青山テラス、アーティックス・・・・と続いていきます。

北九州の場合、“建築単価は225,000円~250,000円くらいが相場かな”って印象を持っています。
それより安いとそれなりの理由があるはずですし、それより高いとそれなりの設備や仕様になっていると思われますので、詳しくは営業マンへ聞いてみてください。
ちなみにポレスターリーモやネクスタージュ高見七条弐番館は、免震工法ですので、その分割高になっているのもうなずけます。

でも「何でこんなに高いの?」反対に「この設備仕様でこの建築費ならお買い得」なんて思う物件もあったりします。
“お金は正直です。”とはいいますが、マンションの建築単価に関しては売主さんの思惑や利益率、さらには完売までのスピード予測なんかが複雑に絡みあっていて、単純に建築費だけでその物件の良し悪しが決められないような気がします。

「そんなら、建築費の比較何ていう、ややこしいことつぶやくなよ」と、ごもっともです。
暑いし、事務所にいても暇なもので・・・。