マンション管理士の独り言・・・481

「当然にあるわけではない」

20歳になれば、当然のこととして選挙権が付与されます。
つぶやき主みたいに政治にあまり関心がない人であっても、大いに関心がある人でも等しく選挙権は付与されます。
ついでに言えば、つぶやき主のように微々たる税金しか納めてない人でも、大会社の社長さんのようにびっくりするような多額の税金を納めている人だって、同じく1票ずつしか持っていません。

この選挙権のように当然に付与される権利もあれば、権利として認められてはいるものの、当然のように行使できるわけでなく、交渉の末に何とか実行できる、というものもあります。
マンションに関して言えば、引き渡しから2年間の瑕疵担保責任や「住宅の品質確保に関する法律」(品確法)で定められた構造上主要な部分と雨水の侵入を妨げる部分の10年間がこれに該当します。

例えば、開放廊下の天井から雨漏りがしていたとして、それが10年以内ならば、売主さんは無条件で補修してくれるのかと言えば、それはNO!です。
それを瑕疵と認めさせなければなりません。
“確かに雨漏りしていますが、この程度は瑕疵じゃありませんよ”と言われてしまえば、瑕疵と認めさせなければなりません。

この件で県建築局宅建課と随分議論しましたが、最終的には、「それが瑕疵に該当するかどうかは当事者の話し合いで決定してください。売主が瑕疵と認めないならば、裁判手続きになるでしょうね」が結論です。
専有部分内の瑕疵についても同様です。
「引き渡し後2年間は瑕疵担保期間があるから、悪いとこが見つかれば手直ししてくれる」なんて甘い考えは持たない方がいいっすよ。

手直しに関して言えば、簡単な補修ほど職人さんがなかなか来てくれませんよ。
「クロスにキズがあるのを見つけた。30分もあれば治るから手直しお願い」なんてクレームは手直しまでに相当な時間がかかると思って下さい。
たかが30分で直せる補修のために、今入っている現場をほったらかしにしてすぐに駆けつけてくれるなんてわけありません。
30分程度の手直しのためにちょくちょく出かけていったら効率悪くてかないません。
そんな30分程度の補修工事が10件くらいにまとまれば、「それなら1日仕事になるな。では手直しに行くか」となります。
これがわかっていないとクレームがクレームを呼びます。
「来てくれれば30分で済む手直しなのに、一体いつまで待たせるんだ」となっちゃいます。

内覧会を依頼されていない方からの確認会同行のご依頼がとても増えています。
確認会同行にもお金がかかりますが、これをお客様にご負担いただくのは何か申し訳ない気がしています。
内覧会でキチンと出来ていればつぶやき主に確認会同行何て、依頼する必要ありません。
キチンと出来ていなかったり、指摘事項がしっかり出来上がるのかが不安なので、同行を依頼されます。

この同行費用ってお客さんが負担するの、おかしくね?売主さんが払ってよ!って気がします。