マンション管理士の独り言・・・486

「排水管高圧洗浄の時期」

完売した新築マンションならば、入居後6~8カ月で設立総会が開催されます。
その時に理事長はじめ役員さんが選任され、いよいよ管理組合活動が開始されます。
入居してから設立総会までは、まだ理事長さえ決まっていませんから、この間は管理会社さんが理事長代行して管理を行うというのがフツーです。

そして設立総会で選任された理事長はじめ役員さんに是非やってもらいたいのが、最近よくつぶやいている共用部分の調査診断ですが、排水管の高圧洗浄も是非行ってもらいたいものの一つです。
多くのマンションでは排水管高圧洗浄を実施します。
2~3年サイクルで実施するところが多いようです。
しかし、最初に高圧洗浄を行うのは竣工後3年としているところがほとんどです。
これを竣工後2年以内に行いましょう。

「入居して2年しか経っていないので、そんなに汚れてないじゃん。もっと後で良いよ。」なんて思っちゃいけません。
目的は排水管の洗浄だけでなく高圧洗浄を行った後にファイバースコープを入れて排水縦管、雨水桝、雨水管の調査診断を行うことにあるのです。

管理会社さんは判で押したように“排水管高圧洗浄は3年目くらいに行いましょう。まだ汚れてないですから”なんて言いますが、2年のうちに実施して排水管や雨水管を調査し、脱管や亀裂なんていうのが発見されたら補修を売主に請求しなくちゃ、です。

以前は管理会社さんの言うように“3年後くらいでいいのかな”なんて思っていましたが、2年以内に必ず実施するべきです。
“管理会社さんは瑕疵が発見されて売主さんと交渉するのが嫌なのかな”或いは“売主さんに2年以内に発見されたらまずいので3年後に実施しなさい”なんて言われているのかな、なんて斜めに見ちゃいます。

排水管の脱管や亀裂が見つかれば、これは誰が見ても完全な瑕疵ですから、これについて補修を行わないような売主さんは流石にいません。
でもこの発見は瑕疵担保期間の2年以内ですよ。3年ならば補修してくれないケースだって考えられますよ。
排水管高圧洗浄だけならば、戸当たり4,000円程度で行えますが、これに調査診断まで入ると戸当たり6,000円くらい必要になります。
しかし、3年後に瑕疵が発見され、管理組合の費用で補修しなきゃならなくなった時のことを考えると安いものです。

初年度の役員さんは何かと大変ですが、排水管はじめ共用部分の調査診断を行いましょう。
竣工後、必ず2年以内ですよ。