マンション管理士の独り言・・・488

「騒音判例」

この数週間は、内覧会専門業者になっています。
毎日のように内覧会や確認会、さらには再確認会にまで同行しています。
北九州ばかりではありません、昨日は福岡まで出張ってきました。

内覧会~確認会を終えた購入者は鍵の引き渡しを受けて入居、晴れてマンションライフが始まります。
期待一杯に膨らんだ胸で新生活を始めるのですが、中には、“こんなはずじゃなかった”と後悔する方もいるようです。
後悔する要因の中で1番多いのが、上階からの騒音です。
「上からの音がこんなに響くとは思わなかった」「営業マンはほとんど気になりませんって言ってたじゃん」「子供を飛び跳ねさせるなよ、どんな教育してんだろ」なんて言う調子です。

デリケートな問題ですが、大体は下の階の方が“気にし過ぎ、我慢しなくちゃいけない範囲内”と整理されるようです。
裁判でも上の音がウルサイ、と争われた案件では、ほとんど下の階の方の訴えは認められていません。

市内のマンションでは、LL45、LH50という基準で造られているところがほとんどです。LL45というのは、例で言うと、上階のスリッパの音は聞こえないが、サンダルの音は聞こえるというものです。
全く聞こえないなんて思わないことです。
この騒音指数がかけ離れて悪かったりすれば、売主に対する責任は問えますが、スラブ厚200mmの置床工法の建物で、しかも固体電波音対策として、床と壁を接続させず切り離して施工するというシステム床を使っているところがほとんどです。
まず間違いなくLL45、LH50は確保されています。

最近のマンション裁判での客観的基準とすれば、午後9時~翌朝7時までの夜間は40dB、昼間と言える午前7時~午後9時までは53dBというのがあり、この基準を相当の頻度で超える場合は下の階の方の受忍限度を超えるとされています。

昨日内覧会同行を行った福岡物件は、スラブ厚が220mm置床工法ですが、北九州物件のようにパーティクルボードの上に12mmの床材という2重構造ではなく、パーティクルと床材の間に防音シートを敷き詰めています。スラブが厚い上に更に3重構造です。
これが福岡では標準的仕様と言うのだから驚きです。
また、北九州のようにわけわかんない契約事務手数料何て徴収しませんし、管理規約、長期修繕計画もしっかりしたものです。
施工もしっかり行われており、掃除も行き届いています。

「やはり内覧会はこうでなきゃ」と何だかとってもホッとしました。

北九州のデベロッパーさんや設計士さんは、もっと勉強してよ、
売れてるから、そんな必要もないのかもしれません、ウラヤマシイ・・・。