マンション管理士の独り言・・・492

「売り出し中・・・新築マンション評定 ①清滝4丁目アパートメント」

パンフレットや、購入予定者からもたらされた管理規約や長期修繕計画をもとに現在売り出し中の新築マンションの評定をしちゃいます。
まず初回にご登場いただくのは、『清滝4丁目アパートメント』です。
アパートメントというペットネームはご当地ではあまり目にしませんので、売主さんはどこかな?って思ったら、八幡西区で建売や注文建築を盛んにやってる辰巳開発さんでした。

構造的には、2重床・2重天井でボイドスラブ厚は250mmです。標準的な仕様です。正直なところで言えば275~300mmはほしかったな、です。
階下への遮音性能はLL45,LH50といったところでしょうか。
なかやしきさんのアーティックスシリーズと同レベルと言えます。
水セメント比は、営業の方へお聞きしましたがわかりませんとのことで、一般的な北九州水準の55%程度だと推察します。50%くらいならば、素晴らしいのですが・・・。

機械式駐車場でしたので、初めはあまり感心しませんでしたが、パレット含め亜鉛メッキ処理を施しています。これは優れものです。そう簡単に錆びることはありません。
3か月に1度のメンテナンス費用が1パレット3000円程度ですみ、これならば機械式駐車場もアリかな、と思いました。
間取りも3LDK,4LDKの2タイプのみで1LDKなどの投資目的とされるタイプがないのもGOODです。
面積にもそれほど差がなくこれならば1住戸1議決権でも許容範囲です。

そして、売買契約書や管理規約を見て目を見張りました。とても素晴らしいものです。
まず、販売事務手数料や引き渡し手数料なる意味不明な費用が一切かかりません。
ローン利用者からも手数料を徴収しません。
北九州では多くの売主さんや販売会社さんがこれらを徴収するのに比べて顧客第一と言える姿勢です。
さらに、竣工時において未販売住戸あった時は、管理費・修繕積立金を売主が負担すると明記しています。
“1年目だけ管理費の不足分のみを売主が補填します。修繕積立金は負担しません”なんてしてる売主さんが多い中でこれにも拍手喝采です。
当然ですが分譲駐車場なんて不埒なことはやっていません。

管理規約の内容もキチンとしています。
駐車場利用規定なんかは、よく考えられ工夫されています。
そして何より素晴らしいのが長期修繕計画です。工法や数量もキチンと記載されているし、値上げ計画だってしっかり盛り込まれています。
つぶやき主が知っている限り北九州ではこの5年間で一番精度の高い内容のしっかりした長期修繕計画です。

北九州にはいろんな、老舗といわれる売主さんが多く存在します。
そんな中で辰巳開発さんは新規にマンション事業に乗り出してきました。
つぶやき主は、はじめは地場の業者の新規参入という事であまり期待していませんでしたが、意に反して素晴らしい内容です。
他の売主さんも見習ってほしいと思えるほどです。

マンションを購入するのに売買契約書や重要事項説明書、管理規約の出来だけで購入する方はいないのでしょうが、これらに関してだけならば辰巳開発さんは素晴らしいと考えています。