マンション管理士の独り言・・・503

「マンションの価格」

マンションの価格は、土地代金+建物代金+消費税から成り立っています。
消費税は土地代金にはかからず、建物代金にしかかからないため消費税から割り戻せば、その建物の㎡単価がわかります。
同じく北九州市内であっても土地代金は坪単価が高いところも安いところもあるので比較にはなりませんが、建物㎡単価は市内のどこで建ててもそんなに差がつくわけありませんから、他のマンションの㎡単価と比較することによって、建物のグレード感がつかめます。

今回は他のマンションとの比較ではなくて、同じマンションでの住戸ごとの㎡単価の比較です。
同じマンションだし、構造や設備仕様も同一だからそんなに㎡単価には差がつかないはずですが、案外そうでもありません。
価格設定には売主の意向が強く働きます。
一般的に角部屋や最上階、さらにはルーフバルコニー付き住戸、専用庭住戸など希少な住戸は、少ないだけに人気がありますし、黙っていても販売できます。
このような住戸の価格というか利益率はかなり高くなります。
売主にとってたっぷり稼いでくれる住戸です。

これに対して、14階建ての中住戸3LDK住戸は戸数も沢山ありますし、例えばBタイプが1~14階までほとんど売れていれば、販売好調物件としてさらに販売に拍車がかかります。
「早く買わないと、完売しちゃうぞ」って感じです。
ですからこのような沢山戸数のあるタイプは意図的に低い利益率設定となります。
売主からすると、マンション全体で利益は○○○○万円と決まっていますので、それを確保できさえすればOKで、上手に振り分けて出来れば早期完売に結びつけられればいいな、って感じです。

ですからマンションは価格発表があってからでないと買ってはいけません。
マンション建設予定と知ると人より早く良い住戸、希少住戸を押さえようとする方がいます。当の本人は、人より先に情報を知ることができ、おかげで良い住戸を押さえることが出来た、なんて鼻高々なんでしょうが、売主からすればとても有難い、美味しいお客様なのです。
必ずその住戸を買ってくれるというのがわかってますから、値付けの際に“他の住戸の金額を低く抑えるためにちょっとだけ利益を乗せさせてね”って具合です。
営業マンからは、“良い住戸が早く押さえられて良かったですね”なんて言われて喜んでちゃいけません。
それでも人に先駆けてどうしてもその住戸を押さえたい方は、つぶやき主にご相談を。
あまり利益を乗せられない程度の手法はあります。

最近の価格表には消費税額が載っていないのか不審に思っていましたが、購入予定者によくよく読まれれば、利益率の高い住戸とお買い得住戸がわかってしまい、それじゃマズイ、と考えたのかしらん・・・なんて