マンション管理士の独り言・・・515

「登りにくい屋上階段」

最近は頻繁にマンション屋上へ登っています。
別に不審者ではありませんし、高いところが好きというわけでもありません。
管理組合さんから最上階の住戸のバルコニー上裏から、あるいは開放廊下の上裏から漏水が見られたり、白華(エフロレッセンス)が見られるので調査してほしいとのご依頼です。
漏水が見られるのはかなり古いマンションだろうと考えちゃいそうですが、竣工後半年のマンションでも見られますから困ったものです。

1級建築士、1級施工管理技士と屋上へ登り検査します。
屋上へ登るのは一苦労ですし、また怖い、怖い。
最近のマンションは屋上へ続く階段なんて用意していませんので、長い脚立を用意して登り詰めたところの潜水艦のハッチのようなものを開けて屋上へ出ます。
開放廊下や階段踊り場などに脚立を立てますが、これが危ないの怖いのって、身がすくみます。
もし落ちる方向を間違えたら、廊下や踊り場でなく、地面まで一直線なんていうマンションもあったりします。

設計士の方は、メンテナンスのことをあまり考慮していないとしか思えません。
安全性のため誰でも簡単に屋上へ出られるってわけにも行きませんが、せめて検査のために登るのには危険でないような場所に設置してほしいものです。
管理人さんや管理会社のフロントマンでも自分が担当しているマンションの屋上へ登ったことのある人はあまりいないんじゃないかと、思っています。

怖い思いをしながら登ってみると、「これじゃ、雨漏りするだろう」です。
勾配がとれてなくて、晴天続きなのにあちこちで水が溜まっていたり、立ち上がり部分の防水シート留めのビスに養生コークをしていなかったり、ドレン廻りを踏むと下から水がジュッと出てきたりします。防水層の下まで水が回っている証拠です。
竣工後何年も誰も登って来ておらず、当然ながら検査も行われていない野放し状態です。
竣工時の監理はやったの?です。

2~3月にかけて、多くのマンションが竣工し内覧会が開催されます。
つぶやき主も引っ張りだこで、この時期の週末はどこかのマンションの内覧会同行でつぶれちゃいそうです。
専有部分の出来ばえ、精度も大切だけど、共用部分特に屋上防水の状態や施工精度はとても気になります。

本当はデベロッパーやゼネコンさん、さらには設計監理の建築士事務所を信頼すればいいのでしょうが、あまりに瑕疵や、瑕疵までたどり着かない未施工を目にする機会が多いので、嫌になっちゃいます。