マンション管理士の独り言・・・516

「共用部分の検査」

2月から3月にかけてつぶやき主は、毎週末内覧会へ同行しています。
専有部分の施工精度の検査を行います。
流石にプロと思える指摘なども行いますが、プロと言ったって別に普通の人より目が良いわけでもありませんし、天津飯のように目が3つもあるわけじゃありません。(注)
いままで数多くのマンションを見てきた目で施工の悪いところや不十分なところを指摘し、その手直し方法のアドバイスを行うこととなります。

つぶやき主の同行は専有部分のチェックだけでなく、管理規約や長期修繕計画について、その特徴や基本的ルールをレポート10枚程度にまとめ、それを1時間程かけて説明することと、また住んでから以降のマンションライフのアドバイスを行うことが良い印象を持たれているようです。
どっちかと言うと専有部分の施工精度のチェックより管理規約などの検証の方が、マンションライフにとってはより重要じゃないかなと考えていますので、同行時も管理規約などに絡めながらチェック、ご説明しています。

そんな専有部分の内覧会同行ですが、最近はちょっとしたジレンマに陥っています。
前回もつぶやきましたが、チェックの対象外である共用部分の出来が非常に悪いのです。
「いくら専有部分のチェックを行なったって、共用部分の出来があんなに悪きゃ」です。
売主の竣工検査、施工者(ゼネコン)の自主検査、さらには設計事務所の監理が行われているはずなのでしっかりした建物になっていなきゃいけないのに、あまりに手抜き、未施工などが多く、いい加減な工事が行われているマンションを沢山目にしてガッカリしています。
「本当に売主やゼネコン、設計事務所の検査は行ったの?少しでも検査すれば、一目瞭然で未施工に気が付くはずだ」と思える箇所が多くて呆れています。

専有部分の検査は内覧会などで購入者の目というフィルターを通すことになります。
したがってそれなりの施工精度は確保できるでしょう。
共用部分はというと、管理組合はまだ設立されていませんから、管理会社が管理組合の立場を代行して検査を行う事となります。
売主・ゼネコン・設計会社・管理会社という購入者とは対極にある立場のものが行う検査が共用部分の検査なのです。
残念ながら実際にはほとんど実施されていないというのが実情です。

じゃ、どうするべ???
管理組合が出来上がったら、管理組合が共用部分の検査を行うのです。
管理組合の役員さんで出来なきゃ、外部の専門家に依頼してでも行うのです。
お金を掛けてでもやらなきゃ、です。
それも瑕疵担保期間内である竣工後2年以内にやらなきゃ、です。
必ず実施しましょう。
そして施工不良や未施工が見つかったら、売主に手直しをやってもらわなきゃ、です。

(注)天津飯の説明
「ドラゴンボール」に出てくる鶴仙人の弟子。やがて心を入れ替えて亀仙人の弟子となって孫悟空、クリリンなどとともにセル、魔人ブーなどの地球侵略者と戦う。第2回天下一武道会優勝者。目が3つあり、気孔砲などの必殺技を持つ。