マンション管理士の独り言・・・517

「フロントマンの嘆き」

マンション管理業協会が、協会会員会社とそのフロントを対象に実態調査を行いました。
回答したフロントマンは、2543名です。そこでは現場担当者の生の声が聞かれます。
これまでに受けた過剰要求という項目に対して、半数以上のフロントマンが経験しているものを列挙します。
「長時間(4時間以上)にわたる理事会等への出席」 60,9%
「深夜(夜10時以降)におよぶ理事会等への出席」 55,7%
「深夜・休日に及ぶ役員や居住者等からの頻繁な電話への対応」 60,1%
「総会・理事会等における罵声・怒声による威圧」  57,4%
「理事会役員や居住者等からの侮辱的な発言」 53,3%
「騒音問題における音の確認等、契約業務に含まれない立会いの要求」 70,0%
つぶやき主もフロントマンの経験がありますから、良くわかります。
特に最後にある、「深夜、上の階からの騒音がひどいので、部屋にいてもらって、一緒に聞いて!」なんていうのが一番困ります。
そう言いたくなる気持ちは分かりますが、“そんなの無理っしょ”です。
でも決まって階下の方(=騒音被害者)はこのセリフを口にします。

反対にフロントマンとしてやりがいを感じるときは?という問いかけに対しては、
「理事会役員に信頼されていると感じるとき」 87,8%
「上司や同僚にフロントマンとしての実力を認められたとき」 55,7%
「理事会役員や居住者からほめられたとき」 72,5%
「理事会と協力して管理上の課題を円満に解決した時」 65,6%
「理事会役員や居住者の信頼を回復できたとき」 52,2%
「理事会で適切なアドバイスが出来たとき」 56,4%
これら回答からもわかるように、フロントマンは役員さんとしっかりした信頼関係が必要だということです。

やりがいを感じるときは、「信頼されていると感じた時」「ほめられたとき」「実力を認められたとき」と言う具合に、ほんのちょっぴりの幸福感なのに対して、過剰要求にはすさまじいものが見て取れます。
「4時間以上の、深夜の理事会出席」「役員や居住者からの頻繁なメールへの対応」「総会などでの罵声・怒声」「侮辱的な発言」などです。
いくら客商売と言ったって、ちょっぴりのやりがいに対して過剰要求は目に余るものがあります。これじゃストレス溜まるでしょう。
つくづく大変なお仕事だとお察しします。

全てのフロントマンへ「あきらめたらそこで試合終了だよ」という安西先生の言葉を贈ります。 注)

注)安西先生
スラムダンクに登場する湘北バスケットボール部の監督。この言葉は、三井寿が中学の全国大会決勝戦で“もうダメだ。負けた”と思った時に投げかけたもの。
一時期グレてバスケを離れた三井が再度バスケをやろうと思った時に安西先生に号泣しながら、「バスケがやりたいです」と言ったシーンは感動もの。