マンション管理士の独り言・・・521

「マンション購入者は共用部分も買うって事ですよ」

マンションを購入するってことは、①専有部分を購入する ②共用部分の共有持ち分を購入する ③敷地の共有持ち分を購入する ってことはちょっと前につぶやきました。
多くの購入者が、まだマンションが出来上がってない、いわゆる「青田」の状態でモデルルームや、パンフレット、それにCGなどで完成後をイメージしながら購入することになります。
本当は出来上がったものを見て、触って、確かめて買うのが良いんでしょうけれど、そんな悠長な事言ってたら、自分の好みの住戸は売れちゃうから、仕方ありません。

専有部分はモデルルームがあるので、自分の購入する間取りとは違っていても、おおよそ想像つきますから、出来上がったものがそんなにイメージと違うってことはないようです。しかし、共用部分の仕様については、ほとんどの購入者がノーマークじゃないでしょうか。

どこのマンションもエントランス~ホール~1階エレベーターホールまでは立派に豪華に造りこんでいます。パンフレットもその部分だけをクローズアップさせます。
しかし、一旦2階や3階に上がるとエレベーターホール~自分の住戸に至るまでの仕様が貧相なマンションがあります。
タイル1枚貼っていません。
最低でも玄関ドア周りにくらいタイルを貼ってほしいものですが、全部吹付仕様です。
出窓も門扉もなく、長い開放廊下が遮るものなしに一番端まで見通せます。
凹凸さえありません。

一般的には分譲マンションは賃貸マンションより造りや仕様が豪華でオシャレというイメージです。
しかし、「これで、分譲マンション?賃貸の方がましじゃん。」と思えるようなマンションにちょいちょい出くわします。
内覧会同行時に購入者の落胆する顔に何度出くわしたことか。

購入者は、“まだ出来ないのかな、早く出来上がったものが見たいな”“内覧会が楽しみだな”と完成を心待ちにしています。
しかし、出来上がったものを見て落胆しちゃいます。
そこで初めて共用部分の仕上げ、仕様にノーマークだったことを悔やみます。
共用部分の仕上げ、仕様についてはモデルルーム見学時に営業マンへ確認すればわかります。モデルルームでは、タイル1枚貼ってない、玄関の仕様になっています。見学時に興味がなく、見落としているだけです。
何も屋上防水の仕上げや、給排水の仕様などについて興味を持てと言っているわけじゃありません。
せめてエレベーター廻りから外廊下の仕上げ、自分の住戸の玄関廻りの仕上げくらいには興味を持って、と言ってるのです。

最近はマンションの売れ行きが好調です。
多くの購入者が竣工するのを楽しみにしていることと思います。
そんな売れ行き好調なマンションの中にも専有部分は兎も角、共用部分があまりにお粗末なものがあります。
言えば怒られちゃいますから、どこのマンションかは言いません。

売主にも折角、お宅の会社を信用して購入したのだから、利益追求ばかりでなく、お客様に満足されるものを作ってよ、と言いたくなります。
この玄関廻りじゃ購入者がかわいそう、って思います。