マンション管理士の独り言・・・540

「向いてるとこが違うじゃん」

日立エレベーターが時速72キロの高速エレベーターを開発したそうです。
それまでの三菱製の65キロを抜いて世界1のスピードです。
台湾か上海の超高層ビルへの納入も決定されているようです。
「流石に日本の技術!バンザ~イ」で、多くの人は済むのでしょうが、ひねくれもののつぶやき主は、諸手を挙げてバンザ~イとは行きません。
高速化を目指すというのはそれなりに必要なことなのでしょうが、もう少し維持管理に目を向けてほしいものです。

エレベーターメンテナンスの部品の共通化、普遍化ができないものかと思っています。
前述の日立エレベーターを納入したビルでは、そのエレベーターメンテナンスは日立系のエレベーターメンテナンス会社と保守契約を結んでいるはずです。
他メーカー系や独立系とは結んでいるとは思われません。
これはエレベーター業界では当たり前のように考えられていますが、ちょっと考えればこれはオ・カ・シ・イです。

つぶやき主はマツダの車に乗っていますが、車検の時も故障した時も街中の自動車工場へ持ち込みます。
“うちではマツダの車は扱えません”なんて話は聞いたことがありません。
もしその工場にマツダ車の部品がなければ、メーカーに電話してすぐに届けてもらいます。
その自動車工場では、マツダでも、トヨタ、日産、三菱・・・どのメーカーのものだってウェルカムです。
またメーカーも自社系列の工場でなければ部品を供給しないなんてケチなことをしません。

エレベーター業界は、「人の安全を確保するためには自社系でメンテナンスを行うのは当然」なんて言ってますが、車だって同じことです。

テレビなどの家電だって同様です。
街中の電気屋さんへ頼めばどこのメーカーのものであっても、たちどころに修理してくれます。
掃除機のフィルターなんてどこのメーカーのものにだって使えるものが安く手に入る時代です。

どのメーカーのエレベーターもJIS規格に適合したものです。
業界が音頭をとるか、偉いお役人さんが率先して、定期的に取り替えることが必要な部品などに関しては“どのメーカーにも適応するものでなきゃJISあげない”くらいしてほしいものです。

ほんのちょっと前に、シンドラー製のエレベーターで扉に挟まれて亡くなるという事故がありました。
当局の指導によりシンドラーは現在使用しているエレベーターに安全装置をもう一つ追加して設置することとしました。
この安全装置は、他社製品では規格が合わないので、当然ながらシンドラー製の物に限定されます。
設置費用が1基約60万円といわれています。
この費用は、残念ながらシンドラーが負担するのではありません。
そのビルのオーナーの負担です。

何か、おかしくね~