マンション管理士の独り言・・・543

「僕が関与しているマンションには来ないで」

アベノミクスの効果でしょうか、お金が余って投資先を探しているうらやましい方が増えているそうです。
YAHOO!の表ページにも「今が買い時、新築マンション」「私にも出来るマンション投資」なんてコピーが並びます。
はっきり言って、マンションについて損か得かで購入を判断するのは、愚かしい事です。
今後何十年も住まうことになるものを損か得かで判断するなんて、嘆かわしい風潮だと思います。
商売人の様に出来るだけ安く仕入れて高く売り利益を上げようというのならばわかりますが、自分が住むマンションを損か得かで選んじゃダメですよ。
何十年も住む事になり、通常ならば30年以上ローンを支払う事になります。30年以上ローンを支払うに値する生活が享受できるかどうかを座標軸に据えなきゃ、です。

これよりもっと呆れるのが、マンション投資です。
分譲マンションの1室を投資目的で購入して年利10%超なんて、言っているやつです。投資目的客を専門に扱う会社があったりするから驚きです。

分譲マンションを購入するというのは、区分所有者になり権利を取得するのと同時に、管理組合員となって組合員としての義務も果たさなければならないのです。
管理費や修繕積立金をキチンと支払うのは勿論ですが、役員となって管理組合活動を行ったり、総会へ出席して意思表示することだって必要です。
この組合員としての義務をはなから忘れちゃって、権利や収益ばっかりに躍起になっています。

こんな投資目的の区分所有者の事を不在区分所有者って言います。
不在区分所有者は、そのマンションに住んでいませんから多くのマンションでは理事長などにならなくていい事になっています。
組合員としての義務である役員にならなくていいのに、管理組合がしっかり運営されているお陰で所有する住戸に高い家賃が設定できる、これは不公平、ということで3年ほど前に不在区分所有者は管理費一律2500円上乗せっていう判断が最高裁で下っています。

2500円くらいじゃ割に合いません。ねたみやウラヤマシイという貧相な考えからじゃありませんが、つぶやき主は投資目的で分譲マンションを購入する人は嫌いです。