マンション管理士の独り言・・・555

「命をかけてまでは・・・」

このつぶやきにお付き合いいただいている方は、マンション購入希望者か、あるいはもうすでに購入して管理組合の役員さんをやられている方か、ひょっとしたら今販売しているマンションの悪口を書かれてないかを気にしている営業マンだったりするかもしれません。
そんな皆さんでしょうが、マンションの屋上に登ったことがありますか?ないっしょ!
管理会社のフロントマンでさえ、“登ったことがある”という方にはあまりお目にかかったことがありません。

つぶやき主はしょっちゅう登っています。正確には登る機会があります。
しかし、登らないといけないのは分かっていますが、登りきれない屋上があります。
怖くて登れないのです。

以前のマンションには屋上まで階段が繋がっていて、通常は扉に施錠して上がれないようになっているというマンションが多かったのですが、最近のは最上階の開放廊下や階段踊り場に梯子をかけて、さらにタラップを利用して屋上まで登るというのがほとんどです。屋上に登ってしまえば、何ちゃないのですが、梯子でちょっと足を踏み外したら15階から真っ逆さまというのが多くて、怖くてとても登りきれません。

「屋上を簡単には点検させないぞ!」っていうわけではないでしょうが、お金をケチってるのだけは確かです。
とある管理会社さんは、ルーフバルコニーのフェンスを越えた先の雨水ドレンの掃除を管理人さんへ要求していました。
「命綱をつけてやって」です。

そこまでする?やらせる?
「命をかけてまでは、しないっしょ」

メンテナンスがやり易いように設計、建築されていないと点検を行うのがおっくうになり、その結果、建物躯体の劣化が早まります。
こんなところにも売主さんの姿勢が見えてきます。

もし屋上まで登りやすい階段をお持ちの管理組合さんなら、是非一度登って屋上の仕上げを確認してほしいものです。
「素人だから登っても何を確認していいか分かんない」って思われるでしょうが、ドレンが枯葉なんかで塞がってないか?勾配がとれてなくて水溜りになっていないか?じめじめしてて苔が生えていないか?通気管が錆びついていないか?なんていうのは一目瞭然です。

最近は共用部分やメンテナンスに必要な部位をケチっている売主さんが多いので、管理面を担当することの多いつぶやき主は大変です。