マンション管理士の独り言・・・556

「マンションの買い方」

中古マンションを購入する際は、購入を検討している住戸に管理費や修繕積立金の滞納があるかないかを気をつけなければなりません。
もしあれば、その滞納分を買主(=特定承継人)が負担しなければならないからです。
「僕が滞納したんじゃないじゃん。前の所有者に請求してよ!」っていうのは通りません。
“何故?”ってそのように区分所有法にも管理規約にも書いているからです。
「管理規約に書いてあるじゃん。この住戸を購入するにあたって、このマンションの管理規約を守るって約束してるんでしょ」ってなります。

これ以外にも毎年開催された総会の決議も守んなきゃなりません。
この住戸を購入するに当たって管理規約は勿論、総会の決議も守らないといけない、守ると約束して入居してくるとなっています。
でもこれは少々荒っぽい規定です。
中古マンションの売買でそれまでに開催された総会の議事録を取り寄せて、説明してくれる不動産屋なんて皆無ですし、実際には不可能です。
議事録さえ満足に作成していない管理組合だって沢山あるのが現状です。
また信じられない事を決議している管理組合だってあります。
管理規約を改正せずに、総会の決議で修繕積立金を取り崩し、区分所有者に配分したっていう管理組合だってあるほどです。

中古マンションを購入するに当たって、“過去の総会の決議で信じられないような事が決議されていたらどうしよう”ってどうしても心配ならつぶやき主にご相談ください。
いろんな管理組合のいろんな裏事情、表にならない情報を知ってたりします。

“新築マンションならまだ総会も開かれてないし、管理費などの滞納もないから安心”って思っていたらこれも間違いですよ。
新築マンション購入の場合は、管理規約の内容もそうですが、後々管理組合内部でトラブルになるような火種のないマンションを買わなきゃ、です。
例えば、修繕積立金の値上げです。
売主は販売の足を引っ張ることにつながるので、分譲当初は低い積立金を設定しています。その上営業マンが「積立金を値上げするかどうかはその時の建築資材の価格高騰具合を見て管理組合さんで話し合って下さい」みたいに言われていると総会時に厄介になります。「積立金が値上げされるなんて聞いてなかった」みたいに管理組合内部で不協和音が生じます。
当初の積立金でまかなえるわけないんだから、キチンと○○年後には3倍に上がります。って言わなきゃです。

それ以外にも駐車場区画の取り扱い、分譲駐車場、未販売住戸の管理費などの負担の有無、特定者への専用使用権の付与、来客用駐車場、階下への騒音問題処理、そして売らんがためのデタラメな販売手法、セールストークなどなど・・・。

新築間もない管理組合さんからのご要望で理事会や総会へ出席しています。とても根深い問題を抱えています。住民間の人間関係にヒビが入りそうです。ひょっとしたら退去者が出るかもしれません。
そしてこの問題はご入居者には全く非がありません。いい加減な売り方をした売主、営業マンのせいで楽しかったはずのマンションライフがズタボロです。
いずれ公にしてこんなアコギな売主はとっちめてやります。