マンション管理士の独り言・・・559

「アヒル」

つぶやき主の事務所にはマンション関係の方がよくお見えになります。
理事長さんや役員さん、区分所有者などがご相談に来られたり、最近はマンション購入予定者までがご相談に来られます。
その他、ご同業者や大規模修繕業者さんや管理会社の方だって来られます。
そんな方々とお話ししているといろんな情報が得られますし、中には“ウッソー”ってことだってあります。

最近は「アヒル」です。

お世話しているマンションの一つで高級を売り物にしたものがあり、エントランス廻りに水路が施され、さらに簡易な滝のようなものを作り、2階部分から水が流れ落ちてきます。水は濾過循環しているようです。
確かに雰囲気は良いのですが、この水路の清掃作業が年間12万円かかっていますので、結構金食い虫です。
しかもお世辞にもキレイな水と言う感じではなく、この時期ボウフラが湧かなきゃいいのにな、なんて思っています。
売主さんや設計士さんは、水路を設けることで高級感を醸し出そうとしたのでしょうが、マンション住民にとって本当に必要だったのか?怪しいものです。

もう一つのマンションでは中庭に噴水を設けていますが、もうしばらく水が上がっていません。この施設をどうするのかも難儀な問題です。

そんな繰り言を話していると、管理会社の支店長さんから、「そのくらい、まだましな方です。」と言われちゃいました。
よくよく聞いてみると管理を受託されているマンションでは、エントランス廻りに水路があり、そこには鯉が泳いでいるそうです。
アプローチ部分の床は透明のガラスのような素材で、鯉が泳いでいるのを見ながら入館する設えになっています。雰囲気があります。
しかし、最近ではガラスの床に苔が生えてきて、鯉が泳いでいるのは見えなくなってしまっているらしいです。
この部分の掃除はとても厄介との事です。そりゃそうでしょう。容易に想像つきます。

その上、アヒルまでいるそうです。分譲当初からの長生きのアヒルさんです。
この世話が輪を掛けて厄介だそうです。
糞はする、羽は飛び散る、臭いはする、です。
さらに餌やりをしなければなりません。
管理人さんが勤務している時は対応しているそうですが、日曜日や盆正月の長期に及ぶ休みの時の世話は大変だそうです。
具体的にどうやっているかまでは聞きませんでしたが、ご苦労なことです。

売り主さんや設計士さんは売らんがために雰囲気を出そうとしていろんな設えを施すのでしょうが、その維持管理は管理組合が引き継ぐということを理解してほしいものです。

「アヒル」だからまだ良かったのでしょうが、「ウサギ」だったら、「亀」だったら、「鹿」だったら、「イノシシ」だったら、「イグアナ」・・・想像すれば何だかウキウキしちゃいますが、管理組合さんは大変だろうな、が結論でした。