マンション管理士の独り言・・・569

「この間が怖い」

分譲マンションの場合、竣工して最初の引き渡しが終わった時に管理組合が設立されるとなります。
設立されてもすぐには総会は開催されませんので理事長などは決まっていません。
竣工完売のマンションでは、最初の引き渡しが終わって半年後くらいにやっと「設立総会」が開催されます。
法律的には最初の引き渡しが終わった時に管理組合は設立されているので、「設立総会」っていうのも変ですが、組合員の初めての顔合わせの会ですから「設立総会」ってしてるところが多いようです。

じゃ設立総会前は管理者(=理事長)はいないのかっていうと、います。
多くの場合は設立総会で理事長などが決まるまでの間は管理会社、あるいは売主代表者が理事長代行を行います。
“管理に関する承認書”にそのように記載されていて、各組合員は引き渡し時にこれに署名捺印を求められます。

竣工完売でないマンションは、全戸数の8割くらいが入居した時に「設立総会」を開催するので、長い事「設立総会」が開かれずに、この間は売主サイドが管理者を務めます。
今お世話しているマンションなんて、竣工後4年で完売しましたから、最初の引き渡しから3年間くらいは管理会社さんが理事長代行をしていました。
4年目に開催された総会が「設立総会」です。
これはちょっと極端な例としても、一般的には管理が開始されて半年くらいは管理会社さん、あるいは売主代表者が理事長代行です。

そしてこの間が怖い。
管理会社、または売主代表者が理事長ですから、修繕積立金に関しても通帳と印鑑だって同時に保有しますし、「リフォーム工事の承認」だって出来ちゃいますし、共用部分の変更だってドサクサに紛れてやっちゃうかもしれません。
兎に角何だって出来ちゃいます。

マンション管理適正化法では、管理会社が通帳と印鑑を同時に保有することを禁止していますが例外があり、“引き渡し後まだ管理者が決まってない比較的短い期間は保有してもいい”ってなっています。
また、瑕疵担保責任期間の2年間もすぐにやってきます。
専有部分は各自で管理できるからいいとしても、共用部分は管理組合が維持管理を行わなくてはなりません。
その中心は理事長をはじめとする理事会です。
まだ区分所有者側からの理事はおらず、売主サイドが理事長代行をしていた時に、仮に共用部分に瑕疵があった時に満足のいく対応ができるかどうか、はなはだ疑問です。

予防策としてはなるべく早い時期に、「設立総会」を開催して区分所有者の中から理事長を選任するしかないようです。
さらに、つぶやき主を雇えば、“言うこと無し”でしょう

568の独り言で、566、567はアップ出来ないので、どうしてもって方はメールで、ってしてましたけど、多くのメールが来ちゃって困っちゃいました。
裁判まで進みそうなので、お蔵入りさせます。