マンション管理士の独り言・・・580

「新手のトラブルの種」

他都市とは異なり北九州には独自のマンション販売方法があります。
売主に都合良いものばかりで居住者・管理組合にとっては住んでから以降のトラブルになるものばかりです。

まずは、分譲駐車場。
駐車場使用料が積立金へ入ってこないから大規模修繕工事時に積立金不足に繋がります。駐車料金タダも同様です。
しかも駐車場充足率100%なのに、1人の人に数区画売っているから、後で購入した人は敷地内駐車場から弾き飛ばされるって、オマケつき。
積立金不足に加えて、後から購入した人が「1人で何台も敷地内に駐車区画を確保してる人がいるのに、自分は1台も敷地内に確保できていない。理事長さん何とかしてよ」って言われたら、理事長さんは大弱りです。理事長さんから相談を受けたつぶやき主も大弱りです。全く迷惑な売り方です。

続いて、未販売住戸の管理費・修繕積立金を売主が負担しないってこと。
将来の大規模修繕工事時に売れていない期間分だけ積立金不足になり、最終的には組合員負担になります。
売れないことに関して管理組合には何の責任もないのに、売れなかった不利益を全部管理組合が被ることになります。理事長さんもつぶやき主も大変。全く迷惑な売り方です。

大きくはこの2点と思っていましたが、新手の販売方法に出くわしました。
それは、ルーフバルコニーにジャグジー風呂設置。

悪質なことに、設置することはソートー前から決まっているのに竣工検査では設置していない状態で検査を受け、その後引き渡しが開始されるまでの約1カ月の間で設置します。引き渡しが開始されていませんから、管理規約も発効していませんし、管理組合だって発足していません。
管理組合が発足したらジャグジー風呂の設置何て認めるわけありませんから、竣工検査~引き渡し開始までの間でドサクサに紛れてやっちゃってます。
当然ですが、竣工図書にも記載されていません。
防水屋さんに聞いたら、「通常は屋上防水に関しては10年保証だけど、このように竣工検査後に防水層の上に構造物を設置した状態では10年の保証なんて出来ませんよ」ってことです。そりゃ、そうだ、です。
更に15年後くらいの大規模修繕工事時に屋上防水の補修工事を行う際にこのジャグジーを撤去しなきゃ、となったとき、誰がその費用を負担するのか?
そもそもルーフバルコニーと言う共用部分の専用使用部分にジャグジー風呂を設置していいのか?
補強床コンクリートまで入れると2500キロになります。こんなのがあって大丈夫?構造上問題ないの?
竣工後3年目の特殊建築物定期報告は乗り切れるの?・・・・
何て問題点が後から後から湧いてきます。

事実に基づいてつぶやいています。
ジャグジー風呂設置を売り物にしているマンションに対しては必ず以下の事を確認してください。
ジャグジー風呂設置を販売時に重要事項説明書で購入者全員に説明しているか?
構造計算はなされているか?
排水計画はキチンとしているか?
ジャグジー風呂設置した状態で竣工検査を受けるのか?
10年の防水保証はあるのか?
設置している住戸の区分所有者は大規模修繕工事実施時には管理組合から撤去を要請されることがあるのをわかっているのか?またその費用負担をするのか?
管理規約使用細則との整合性はとれているのか?

何にも知らないで購入した人は大迷惑な売り方です。