マンション管理士の独り言・・・622

「いくつ売れてる?販売状況」

最近の市内分譲マンションはおおむね売れ行き好調の様で竣工前完売なんていう、かつての販売センター長からすればウ・ラ・ヤ・マ・シ・イ物件もあります。
目指すのは『竣工完売』で、あまり早く売れちゃうと“値付けが甘かった、もう少し高値でも売れてたんじゃない”なんて上司に怒られちゃいます。
10数年前は竣工1年で完売を目指していたのに隔世の感があります。

ホームページに残戸数○○戸なんて書いてありますが、あの数字はあまりというか、全く信じちゃいけません。「嘘」っていうと聞こえは悪いけど、真実とは程遠い数字です。
残戸数○○戸ってあったら、少なくともその1,5倍、多ければ2倍くらい残戸数があるとみてまず間違いありません。残戸数あと1戸ってあっても2~3戸あったりします。

そのマンションに興味のある方がホームページやチラシを見ていますので、「先月より○○戸も売れてるじゃん。やっぱり人気物件なんだ。早く買わなきゃ」ってなるように工夫しています。
間違っても「先月から全く売れてないじゃん。慌てて買わなくてもイイよ。他のマンションとじっくり比較しよう」ってならないようにしています。

そもそも売れたって言う基準も各社それぞれで異なります。
契約も締結し契約金も入金された状態ならばどの売主さんも「売れた」って見做しますが、“申し込み”の段階で「売れた」ってしているところや“保留”更には“検討”って段階で「売れた」ってしているところだってあります。
申し込みだって、このご時世です。ローンの仮審査で不承認になるって場合だってありますし、キャンセルなんて日常茶飯事です。

もし販売センターで希望住戸に赤いバラが刺さっていたら、「もう売れてら、残念!」って思わずに売買契約まで締結している住戸なのか?申し込みなのか?それ以前なのか?ローンの仮審査は通ったのか?まで聞いてみた方が良いでしょう。

また、棟内競合っていって、同じマンションで3LDK同士や、面積・価格が同じくらいの広い3LDKと狭い4LDKなんかが競合します。
そして販売開始後3カ月もすると明らかに人気のないタイプが際立ってきます。
人気のない住戸はホッタラカシにするといよいよ売れなくなっちゃいますから、赤いバラの花を滅多やたらに刺して“売れてる、人気住戸”っていう雰囲気を醸し出します。
「お客様、このタイプはバラの数でもお分かりのように人気住戸です。お早目に購入されることをお勧めします」ってトークです。
人気のある住戸は黙ってても売れますから、売れてないタイプを如何に売るか、に心血注ぎます。

自慢じゃないけど、トップセールスでした。累計600戸以上を売りました。
3年連続支店長賞受賞のつぶやき主が言うのだから間違いありません。
今ならもっと売りますよ。誰か販売代理で雇ってくれませんか?

雇ってもらいたいなら、売主が困るような事をつぶやくな!って・・・・後悔。