マンション管理士の独り言・・・643

「違いがわかる お・と・こ」

『所定の引き渡し日以降になお引渡し住戸未済があり、引き渡し済住戸の区分所有者の負担する管理費及び共用部分の収益金をもって通常必要とする費用に支払いに不足が生じる場合において、やむを得ず売主がこれを負担する場合には、その不足分の実費の範囲内とすることを買主は予め了承する事』

『管理に係る費用が引き渡し物件の実収入で初年度会計年度末の決算において不足が生ずる場合において、やむを得ず売主がこれを負担する場合には、その不足分の実費の範囲内とすることを買主は予め了承する事』

同じ売主さんの現在の「管理に関する承認書」と2年前に使っていた「管理に関する承認書」です。上が2年前のもの、下が現在のものです。
違いが分かるかな?

要するに最初に引き渡しが開始された時に売れていない住戸があった場合に、売主さんは売れていない住戸全部の管理費は負担しないよ。売主が負担するのは通常の管理を行うのに不足する分だけだよ、ってことです。
じゃ、2年前のも現在のも同じじゃん!と、ところが大きく違うのです。
2年前(上)のは、“初年度”という文言がないけど現在(下)のは“初年度”って記載されています。
つまり2年前までの「管理に関する承認書」では、売れていない住戸があったら、初年度どころか何年でも未販売住戸の管理費を売主は負担しないってことです。
現在の「承認書」は、“初年度”だけは不足分を負担するけど、それ以降に売れていない住戸の管理費は売主が負担しますよ、ってことです。
素晴らしい進歩です。未販売住戸の管理費負担についてはこの売主さんとはつぶやき主はだいぶバトルをしましたから、それが功を奏したのかなって感じています。

しかしこれで安心してはいけません。

現在の管理に関する承認書にも、2年目以降は負担するとは明記されていないのです。
購入しようとする方は、“2年目以降は売主さんが負担するんですね“って確認が必要です。
つぶやき主が内覧会同行するときには、お客さんの前で“2年目以降は売主が負担します”って声に出して言ってもらっています。

さらに、入居して1年経過したら管理組合として売主に“2年目以降の未販売住戸の管理費をキチンと負担してね”って申し出ないと、管理組合から要請なかったからといって負担しない売主さんもあるので要注意でっせ。

管理会社さん任せじゃダメですよ。管理会社さんは管理組合ばかりでなく、売主さんの顔色見て仕事する場合も多いですよ。

「違いのわかるお・と・こ」ってフレーズはネスカフェのコマーシャルでしたっけ?
「わかるかな?」「わかんねーだろうな?」はアフロヘア―でサングラスの指パッチンの芸人でしたっけ?

「わかんね~」