マンション管理士の独り言・・・647

「議決権行使書」

標準管理規約第46条では、「組合員は、書面または代理人によって議決権を行使することができる」と規定しています。
「代理人によって」の部分は、“私は総会に出席できないので○○さんに委任します”として委任状提出することを指しますが、「書面によって議決権を行使できる」というのは、議決権行使書を指します。
しかし、文末は「できる」となっていなすので、必ずそうしなければならないってわけじゃありません。「できる」ので、してもしなくてもイイよ、ってことです。
委任状を提出するというのはどこの管理組合でも行われていますが、議決権行使書を採用している管理組合さんと採用していない管理組合さんとでは半々くらいではないでしょうか?

いきなり難しい文章で始まりましたが、総会議案書を配布する際に、「議決権行使書」を添付するかどうかについてのつぶやきです。
「議決権行使書」のいい面としては、「委任状」に比べて組合員の意思が反映できるってことです。
委任状というのはあくまで、信頼できる人に依頼するのであって組合員の意思そのものが反映されているわけじゃありません。
これに対し「議決権行使書」は組合員の意思が反映されています。
よく間違って「委任状」と「議決権行使書」の2通とも提出する人がいますが、こんな場合は「議決権行使書」を優先します。

じゃ、“議決権行使書がいいじゃん”とはなかなかなりません。
議決権行使書を採用していない管理組合さんはその理由として、総会への実参加者が少なくなるって、言います。
残念ながらそのようです。実務的にもそのような傾向になるのは間違いありません。
さらに、議決権行使書を添付するならば、予め配布する議案書にその議案の内容を詳しく記載しなければなりません。
議決権行使書を提出しようとする人が、議案書を読んで、“第1号議案-賛成”“第2号議案-反対”と意思表示できるだけの内容が詰まった記載が必要になります。

管理規約改正などの特別決議の際には、議決権総数の4分の3の賛成が必要ですので、議決権行使書は有効です。
“実参加者と委任状だけではとてもじゃないけど4分の3は集まんないよ”って時には効果を発揮します。
“昨年は議決権行使書を採用したけど今年は採用しない”っていうわけにも行きませんが、
議決権行使書は効果的に利用したいものです。

総会への出席者が少なくて困ってるという管理組合さんを良く見かけます。
でも工夫次第、総会の議案次第で参加者は増やすことが出来そうです。
組合員の関心のある議案ならば出席者は増えます。
つぶやき主の場合は、「○○号議案が承認されたら総会終了後、○○の業者さん(或いは担当者)の説明会を実施します。」とする場合が多いです。

“出席者が増えたらいろんな意見が出て大変そう、少ない人数でシャンシャン会議を目指そう”なんて発想はもう古いっすよ。