マンション管理士の独り言・・・649

「共用部点検」

つぶやき主は年に40件程度内覧会同行しています。
最近はマンション購入時にご相談される方も増えていて、そんな方がそのマンションを購入して、そして内覧会同行をご依頼される方も増えています。

つぶやき主にそのマンションの構造や設備、管理規約、長期修繕計画などそのマンションのほとんど全てのレクチャーを受けて、言い換えればイイとこも悪いとこも全てわかって購入されるわけですから、後で知らなかった、って事にはなりません。
管理規約や長期修繕計画を始め構造や遮音性能等そのマンションの特徴をレポート10枚程度にまとめ、それを2時間くらいかけてじっくりご説明します。
いうなればつぶやき主の個人レッスンです。
ミレーユダルクやナタリードロンの個人レッスンみたいに色気はありませんが・・・。
それで2万円です。安いっしょ。

内覧会同行は購入した専有部分の施工精度を調べますが、前職時代から1000住戸以上検査しているつぶやき主は、流石っすよ。
購入者からすれば専有部分の施工精度は気になる所ですが、つぶやき主は本当は共用部分の施工具合が気になります。
購入者さんを通じて屋上も見せてほしいって何度か売主さんに頼みましたが、「見せられません。ダメです」です。
仕方ないから外壁タイルは浮いていないかを売主さんに気付かれないように手の届く範囲で打診したり、駐車場の雨水勾配が取れているかを目視したりしてそれとなく調査票に書き込んだりしています。

専有部分の仕上げが悪いマンションが共用部分の施工精度が高いわけありません。
購入者の検査が入る専有部分の施工は丁寧にやっているはずなのに、指摘事項いっぱいのマンションで、購入者の目が入らない共用部分なんてどんな施工精度になっているのか考えただけでも不安です。
また工事期間が短かったりするマンションも特に気になります。

共用部の検査は施工会社自らが行う社内検査と売主と管理会社が行う施主検査となりますが、施主検査を行わない場合もあるようです。
また、施工会社、売主、管理会社もいうなれば皆身内です。第3者ではありません。
客観的な検査が行われているのか不安に感じています。
専有部分の検査以上に共用部分の検査を行いたいと思っていますが、“つぶやき主さん、共用部の竣工検査をお願い”っていう太っ腹の売主さんが出てこないか期待しています。

最近は瑕疵担保期間内の竣工後2年内の共用部点検をご依頼いただくことが増えてきました。いい傾向です。
屋上防水は10年の保証ですが、10年間で1度も管理組合役員の誰一人として屋上に上った人がいない、っていうのに比べ随分意識が高くなりました。

マンションを買うっていうのは、専有部分は勿論ですが、共用部分の共有持ち分も購入するってことですよ。
自分の財産は自分で守らなきゃ、でした。