マンション管理士の独り言・・・652

「オートロック更新工事」

もう7年くらい海を渡ってお世話しているマンションさんでオートロック更新工事を行いました。
2年くらい前から「リビングにある住宅情報盤の解除ボタンを押してもエントランスのドアが開かない時がある」「住戸玄関先のインタホンは全然聞こえない」なんていう苦情がチラホラあがっていました。
“大規模修繕工事を実施したばかりだからもう少し待ってね。”と我慢してもらっていましたが、チラホラだった苦情が、ひっきりなしになり、もう待ったなしです。
アンケートを実施すると、40戸中12件で何らかの不具合があるとの回答です。

理事会では更新工事を実施することとしメーカーや機能などの検討を開始しました。
それまでのは通話機能しか付いていませんでした。
メーカーさんの話では、新築マンションでは、エントランスにだけモニター機能を付け、住戸玄関先インタホンには通話機能だけ(モニター機能は付けない)というのが主流だそうですが、更新の際はより防犯性を高めようと住戸玄関先にもモニター機能を付ける管理組合さんが多いとの事でした。

理事会では通話機能の他、「この際モニター機能も付けるべきだ」「出来れば玄関先にもモニターがあった方が良い」となりました。
モニター機能がつけられるかどうかを事前に調査し、配線・配管具合を確認し、モニター機能も付けることができると判明してから2社から見積もりを取りプレゼンテーションです。

そして、1社に絞り4月に開催された通常総会で予算計上し、「オートロック設備更新工事を実施することについて」という議案もほとんど全員賛成で承認されました。
総会終了後、引き続き工事施工業者とメーカーさんからの工事や機能、取り扱い方法などの説明会を実施しました。
説明会を総会終了後にセットするとわざわざ説明会を別途設定する必要もなく、また総会への参加者も増えるので、一石二鳥です。GOODJOB!

エントランスと地下駐車場からの出入り口の2台の親機と各住戸玄関先のインタホン、住戸内の住宅情報盤を取り換えました。
住戸内住宅情報盤の取り換えもありますから、在宅していただかなくてはならず土日の工事となります。在宅時間により工事時間の調整も必要です。
オートロック設備を更新する工事は実施するまでに約半年が費やされました。
工事自体は金土日の3日で済むのですが、そこはマンション・・・どんなことでも合意形成。結構なエネルギーを使いました。

費用は40戸で約400万円。1住戸10万円ってとこです。
つぶやき主の印象では、新築後大体15年でオートロック設備に不具合が生じ18~20年で一斉取り換えという管理組合さんが多いのではないでしょうか。

全戸一斉に取り替えたから修繕積立金からスムーズに支出できましたが、1件でも2件でも全戸一斉の前に自分で取り替えた、という組合員がいたら話がややこしくなります。
その人が既に支払った代金をどのように負担するのか?全戸一斉でないのに積立金を取り崩していいのか?などです。
そうならないような工夫、ノウハウが必要です。

それは、テクヤクマヤコン。ひ・み・つのアッコちゃん。