マンション管理士の独り言・・・659

「他店のチラシ」

家電量販店なんかでは、「当店の販売価格よりも安い価格が載った他店チラシをご持参の方には、他店の価格でお売りします!」なんていうのを見かける事があります。
家電製品等では同一の商品で価格に差があれば、高い価格の方は、間違いなく安い価格の方より高い事になります。
回りくどい言い方ですが、“高い安い”は同一商品・同一数量でなければ比較できません。サービスの提供などはその内容や頻度などがそれぞれ異なるため“高い安い”というのはなかなか判断できないものです。

マンションの管理を行う管理会社の管理委託料もサービスの内容が異なるため“高い安い”は判断しづらいものです。
ところが、同じくらいの規模・戸数、同じくらいの設備のマンションでしかもサービス内容もほとんど同じ、それを同じ管理会社さんが管理サービスを行っているのに料金が異なるという場合があります。
会社が違えば料金が異なるのは当たり前ですが、同じ管理会社さんで同じようなサービス内容で料金が異なるのです。

以前は他のマンションの管理委託内容を調べたり比較したりは出来なかったのですが、つぶやき主が現れてからは、異なる管理会社の管理委託契約のサービス内容との比較は勿論、同じ管理会社が管理を行っているサービス内容の比較検討まで出来るようになりました。
つぶやき主のところにはいろんな管理組合さんからのご相談がありそれに比例していろんな管理会社さんの管理委託契約書がストックされています。
管理会社さんからすれば全く厄介な時代になったというか、厄介な嫌われ者が現れたなって感じでしょう。

つぶやき主も顧問などとしてお世話するようになったら、その管理組合さんの利益のために行動し情報を提供しなけりゃなりません。お金をもらっている以上当然の職務です。
他の管理会社さんと比べて、支払っている料金に相応のサービス内容になっているかを客観的に、資料を示しながらご報告します。
その結果、「管理会社さんは今のままでいいけど、もう少し管理委託料を下げてよ。だって他の管理会社さんはもっと安くて充実したサービス内容になってるよ」或いは、「管理会社さんを変更しよう」ってなる管理組合さんもあります。
管理会社さんは決して自ら「管理委託料を減額しましょうね」なんて言ってくれませんから、理事会としては「管理委託料をもっと減額できない?」って言ってみなきゃです。
その時に、他の管理会社さんの管理委託契約や同じ管理会社さんの他の管理組合さんとの委託契約等の資料を持っていれば交渉を有利に進める事が出来ます。
つぶやき主を上手に使わなきゃ、です。

北九州の場合、販売時に長期修繕計画を渡さない、渡したとしても積立金が段階的に値上げされるように示されていない、更に当初の修繕積立金は㎡当たり40~50円程度と意図的に低く設定されています。
これでは入居後3年もしないうちに修繕積立金の値上げになるのは必須です。
その折、値上げする前に管理委託料金の減額やサービス内容の見直しすることを理事会は組合員から求められます。
「安易に値上げせずに余分な管理サービスを削減してよ」って事です。

積立金の値上げを行おうとする時は、バックデーターになる長期修繕計画と管理費削減がセットになるってことを理解しましょう。