マンション管理士の独り言・・・694

「屋上へ登ろう」

台風15号は市内の各マンションへ甚大な被害をもたらしているようです。
“自分のとこは、雨漏りもしてないし、大丈夫”って思っている役員さんも簡単に安心しちゃだめですよ。
昨日は若松のマンションの屋上に登ってきました。
管理組合の顧問としてお世話しているマンションで、台風15号による目立った被害はありません。勿論雨漏りなんてしていません。
最上階の居住者から“マンションの屋根瓦らしきものがベランダに落ちてきているので、ひょっとしたら瓦が数枚割れているかも”ってお話です。
登ってみてビックリです。あっちこっちで瓦が割れています。

このマンションがフラット屋根ではなく、勾配屋根(切り妻)です。
屋根材はシングル葺きといわれるもので、アスファルトを薄い板状にして何枚も重ねて仕上げるものです。
そのシングル瓦が何枚もめくれているのです。
この管理組合さんはマンション共用部分の保険を付保しており、施設賠償も特約付保しています。台風による被害ですから当然保険の対象です。
2時間かけて枚数を数えました。東棟約350枚。西棟約650枚の合計1000枚です。

補修工事はただ単に割れた瓦1000枚の費用だけでは済まないのです。
工事するためにはクレーン車で資材を搬入し、屋上から転落しないように足場を組みネットを貼り、下地処理から清掃まで、と多くの職種と職人さんの労力が必要です。

“今度の台風は大きかったけど、雨漏りしていないから大丈夫”なんて思ってないで、屋上に登って被害状況を確認することが必要です。
「被害が発生していませんか?」なんて保険会社さんから案内なんて来ませんよ。
フラット屋根のマンションならそんなに被害はないと考えられますが、勾配屋根のマンションは登って確認することをお勧めします。

登っても台風による被害なのかどうかわからない、って思われるかもしれませんが、多くの場合一目瞭然でわかります。風の吹いてきた方向で一様に損傷しています。
樹木の倒壊も保険の対象ですよ。
風の強い日や雨でぬれている日に登っちゃいけないのは当たり前ですよ。
本日は、大規模修繕工事で見積もり参加業者数社から見積もりの提出を受けます。
提出時に業者さん同士がガチ合わないように、それぞれ異なった時間に事務所へ持参してもらいます。
その場では開封せずに明日複数の理事さん立会いの下一斉開封です。
ですから今日はただ見積もり書を預かるだけです。預かるだけで半日仕事です。
公平性・透明性の確保にも時間と労力がかかります。