マンション管理士の独り言・・・699

「駐車場について考える・・・5」

駐車場使用料はどこに入るかというと修繕積立金に充当されることが望ましい、なんて国交省は言ってます。
マンション管理組合は2つの財布を持っていて一つは管理費、これは一般会計とも言われます。
もう一つが修繕積立金会計で、こちらは特別会計って呼ばれています。
管理費は組合員(=区分所有者)から毎月一定額が入金されますが、共用部分の清掃費や照明器具の電気代やエレベーター電力代、管理会社への管理委託料、さらには管理人人件費などに支出されますので、毎月一定額が支払われていきます。だから管理費というお財布には全然お金がたまりません。

これに対し、修繕積立金は将来の大規模修繕工事のために積み立てておくもので、この取り崩しには総会の決議が必要とされていますので、毎月一定額がキチンと積み立てられていきます。
ですから国交省は駐車場使用料は将来のために修繕積立金へ充当しよう、ってしています。

北九州のマンションの実態はどうかというと、残念ながら積立金へ充当している管理組合はあまり見かけません。
管理規約に“駐車場使用料は修繕積立金へ充当する”って記載していても、へっちゃらで管理費へ充当していたりします。
売主サイドで作った管理規約なんだから、書いていることはしっかり守れよ、って思います。

“管理費に充当する”って堂々と記載しているとこもよく見かけます。
でも“管理費に余剰が出れば総会の決議で修繕積立金へ充当する”ってしているところもありますので、ちょっぴりホットしたりしています。

駐車場使用料を修繕積立金へ充当していない管理組合や、場合によれば「皆公平に駐車料金タダ」なんてしている管理組合さんではまず間違いなく大規模修繕工事時に工事代金が不足します。
そんな管理組合さんでは大規模修繕工事時に借り入れを起こさなきゃなりません。
借入額を算出してみると、駐車場使用料をキチンと有料としていれば、借入れる必要がなかった、って場面によく出くわします。
分譲当初は駐車場料金を取っていたけれど、その後皆公平に無料にしたって管理組合さんもちょくちょく見かけますが、止めた方がいいですね。

大規模修繕工事時に積立金が不足し借り入れを起こさなきゃならなくなります。
借り入れを起こそうとしても滞納率が10%を超えていちゃ、どこも貸してくれません。
目先の利益ばかり見ていると将来損をしちゃいます。

また駐車場使用料を管理費に充当している管理組合さんは、駐車場使用料で管理にかかる費用を賄っちゃいけません。
管理にかかる費用は管理費のみで充足しなきゃ。
駐車場使用料は全額修繕積立金へ充当できるような健全な管理運営を目指しましょう。

そんなこんなで、駐車場使用料タダなんていうのをキャッチコピーにしている売主さんがまだいますが、つぶやき主はおススメしません。