マンション管理士の独り言・・・69

集合住宅管理新聞「アメニティ」に面白い記事が載っていましたので、ご紹介します。
読者からの質問です。
Q:私たちのマンションでは、今般大規模修繕工事を行うこととなりました。
最上階に住んでいてルーフバルコニーを使用しているAさんから、「大規模修繕工事の最中はルーフバルコニーが使えないから、工事期間中はルーフバルコニー使用料を払わない」といわれました。

規約上は、ルーフバルコニーは共用部分とされ、使用料を払うことで、専用使用を認めています。Aさんの主張は正しいのでしょうか?

A:最高裁判例では、バルコニーが構造的に建物の躯体の一部であることから、法定共用部分であるとする見解が出されています。
共用部分であるとしたならば、躯体の一部分であるバルコニーも大規模修繕工事の対象となることは当然であり、居住者に認められている専用使用権も工事の際には、一定の制限(利用できなくなる)が課せられることを前提に認められた権利に過ぎません。
ルーフバルコニーでなく同じく共用部分であるエレベーターの保守点検を考えてみれば、その保守点検中にエレベーターが利用できないからといって管理費の返還や支払い拒否は認められないことについては大多数の人が異論ないと思います。
したがってAさんに認められている「ルーフバルコニーの専用使用権」は日常的に決められた用法に従ってルーフバルコニーを独占的に使用できるが、管理組合が修繕工事などを行う際には、使用が制限されることを前提に定められている権利であると考えられます。
Aさんの主張には理由がありません。

独り言主も勉強になった解説でした。