マンション管理士の独り言・・・703

「定足数」

分譲マンションで総会や理事会を開催する場合、一定以上の出席者が集まらないと有効な総会とは言えなくなります。
有効な総会とするためには、一定以上の出席者が必要となっています。
この出席者の数を定足数といいます。

そりゃそうですよね。
100戸のマンションで10人しか集まっていないのに、それが総会と言えるか?そこで決まったことが管理組合の意思だ?って言われても“たった10人ジャン”となります。
多くの方が有効とは思えないと感じるはずです。

定足数のカウントの仕方は、実出席者+委任状提出者+書面議決権行使者となります。
実際の現場では、書面議決権を行っていない管理組合さんもあります。
“ただでさえ総会出席者が少ないのに、書面行使を認めるともっと出席者が減っちゃう”との理由です。
その反対に、代理人の要件を“他の区分所有者じゃダメ、同居している親族に限る”なんて規約に厳しく規定しているところは委任状の提出が期待できませんので書面行使に頼らざるを得ません。

定足数を満たしているかの大前提は、分母となる人数が確定していることが必要です。
区分所有者の頭数や議決権総数が確定していなければ定足数なんて決まるわけありませんからト~ゼンです。
総会の限らず理事会でも同様です。理事の数が決まっていなければ定足数は決まりません。当たり前ですが多くのマンションでは規約で理事の数は決まっています。

ところが理事の数が決まっていない管理規約にお目にかかりました。
「理事会は理事などの半数以上が出席しなければならない」となっています。「理事など」の「など」が問題なのです。「など」がついた管理規約なんて初めてお目にかかりました。そして「など」の具体的記述はありません。

一般的に理事には委任状提出は認められていません。
総会で組合員から“理事さんに任せますよ”として委任を受けている理事が、他の理事や組合員へ再度委任するというのは認められません。
原則はそうですが、理事が急用で理事会に参加できなくなったから他の理事に委任しますってことも行われてなくもないのですが・・・。原則はダメです。

監事は理事ではありませんから、「など」には含まれないはずですし、ひょっとしたら防火管理者?って思いますが、定かではありません。
なぜ「理事など」にしたのか理由が不明です。

またその規約では監事がありません。会計監査があるのみです。
そして会計監査の業務は文字通り「会計」に関してのみで「業務」についての監査は含まれていません。
これについても“なんで?”です。
「業務」監査は行わないの?

一昔前の規約ではこのような規定も見かけましたが、最近分譲のマンションです。
こんな細かいことを気にする必要もないかもしれませんが、つぶやき主には“原始規約には要注意!”ってDNAが入っているようです。