マンション管理士の独り言・・・725

「町内会」

先週の土曜日(3月26日)と月曜日(3月28日)に分譲マンションの入居者を町内会への加入促進をテーマにしてセミナー講師を務めました。
それぞれ質問時間を入れての2時間、立ちっぱなし、しゃべりっぱなしでした。
北九州市地域振興課主催ですから、いつものようなオチャラケアドリブは封印して、今まで虫も殺したこともないような善良な人間を振舞いました。それでもちょっとだけ、アドリブを入れて笑いを取ろうとするところは、やっぱり根が不真面目です。
セミナーはひと段落しましたが、今度は町内会長さんのリクエストで管理会社さんや管理組合さんを訪問する作業になりそうです。忙しくなる総会の時期なので、スケジュール管理をしっかりやらなきゃです。

「町内会加入」と言えば、「加入してどんなメリットあるの?」って必ず聞かれます。
商売人じゃないんだから損か得かのモノサシじゃないっしょ。地域とのコミュニティを構築するのが悪いわけないじゃん、です。

最近のマンションは“部外者シャットアウト”のオートロックが当たり前です。ただでさえ部外者が入館しづらく、地域から孤立しそうなマンションですから、自ら積極的に地域とのコミュニケーションを取らなきゃ、です。

昨年の国勢調査の折、顧問としてお世話している管理組合さんでは町内会長さんに調査員をやってもらいました。
町内会長さんはそのマンションに住んでいます。
調査で訪問するたびに「おたくはどうやってこのマンションに入館したんですか?」から始まります。
ほとんどの住戸で初めにこの言葉の洗礼を受けるので、「つぶやき主さん付いてきて」ってご依頼です。
つぶやき主が「お世話になります。マンション管理士の井上です。国勢調査員さんの同行者として来ました」と言えば、「ご苦労様です」って玄関ドアを開けてくれます。

今や世帯主の年齢が60歳以上というのが、全国のマンションで50%を超えています。
全国で50%ならば、北九州ではもっと高齢化が進んでいると思われます。しかも、マンション居住者のマンションを“終の棲家としよう”という永住意識が年々増加しています。
高齢化して、しかもそのマンションにずっと住まい続けようって思うなら、地域とのコミュニケーションは取らなきゃ、です。
メリットのあるなし、損か得かで判断する事じゃありません。

戦前に活発だった町内会を解体したのは、GHQだそうです。日本人が徒党を組むのを嫌がってこんな末端の組織まで解体しちゃったのです。
なんか5人以上集まったらダメよ!っていう暴追法に置き換えられそうです。

町内会加入促進のお手伝いをしていると、GHQに反旗を翻しているようで、気分爽快です。

「町内会へ加入したいけど、自分のマンションには町内会がなくて困ってる」って方はお声を掛けてね、です。