マンション管理士の独り言・・・741

「マンションを購入するということ・・・その4」

マンションを買ったということの意味を掘り下げています。
⑤「管理規約・使用細則・総会の決議を守る義務」
新築マンションを購入して引き渡し時に「管理に関する承認書」というものに署名捺印を求められます。
「管理に関する承認書」に記載していることの中で一番重要なのは、〝売り主もしくは管理会社が用意した原始管理規約の内容で了解しました“ってことです。
本当はマンションを購入した全員が集まって、これからのマンションライフのバイブルになる管理規約を作成すればいいのですが、専門的知識もないし、初めて顔を合わせる方々で集まって話し合って、管理規約なんて出来っこありません。
ですから売り主さんや管理会社さんが今までの経験とか知識で、“これでどうでしょうか?”って管理規約案を提示します。これを原始管理規約っていいます。
“この原始管理規約で良いよ”って承認することの証左として管理に関する承認書に署名捺印することを求められるのです。

管理に関する承認書に署名捺印するってことは、つまり売り主さんサイドから提案のあった管理規約で良いよ!って云うことに他なりません。
承認したのだから以降のマンションライフでこれを守らなきゃいけないし、また守りますよって約束して入居することとなります。
通常の私生活のルールとなる民法や区分所有法より事細かな取り決めや約束事が含まれてますが、守るって約束したのだから守らなきゃ、です。

逆説的な言い方になりますが、民法や区分所有法より厳しい管理規約があるからこそ、自分も含めたマンション購入者全員が守る義務があるので、「ど真ん中ストライク」の生活が享受出来るってとこがマンションのいいところだと思っています。

中古マンション購入時にも、「管理に関する承認書」ではありませんが、“管理規約や総会の決議を守ります”って一筆入れさせられます。

総会の決議も守らなきゃいけません。マンション管理組合での約束事などは、つまりは皆で集まって話し合って決めましょう=総会となっています。
総会は年に一度は必ず開催されます。
適法適正に開催された総会で決まったことは、そのマンション購入者を始め賃借人なども守んなきゃ、となります。
都合悪くて総会に出席できなかった、自分が出席していないところで決まった決議なんて守らない、は通りません。
また中古で購入した人に対しても、自分が参加していないところで決まった総会ですがその決議を守らなきゃいけないとなっています。

どこのマンションでも管理規約は一緒か?って云うとそれぞれ異なります。
今から自分が生活することになるマンションのルール=管理規約を十分に理解して購入しなきゃいけません。

「そんなことが書いてあるとは思わなかった。」は通用しませんよ。