マンション管理士の独り言・・・747

「リフォーム工事」

今週号のリビング北九州の「マンショントラブル相談室」では着任早々提出された「リフォーム工事」について“どのように扱ったらいいのでしょう?”っていう質問に関してのアドバイスでした。
文字数の関係で、教科書的アドバイスになりましたが、沢山の管理会社さんとお付き合いがあり、また多くの管理組合さんの管理規約を見てきたつぶやき主ですから、もっといろんなパターンをご紹介しちゃいます。

一般的には、仕様書や工程表等の工事の内容がわかるものを添付して出された工事申請書を受理した理事長は、理事会を開催→その工事を許可していいかどうかを理事会で審議→許可していいとなれば→承認書を発行→晴れて工事着工という流れとなりますが、では実際に工事申請なされる度に理事会を開催するのか?しているのか?
工事申請出されても月に1度、或いは2月に1度の頻度の理事会開催のペースは崩さないのか?年に数回しか理事会を開催しない管理組合なんて言うのもざらにあります。
工事を申請しようとする組合員も、いつ理事会が開催されるかわかんない状態じゃいつ着工できるかわからず困ってしまいますし、またそんな工事をリフォーム工事業者も請け負えない、ってことになります。
また、理事会にしたって建築の専門家がいるわけじゃないし、そんな工事の許可を求められても、困ってしまいます。

そこで管理の現場では、棚板の取り付けやコンセント取り換え、襖やクロス張り替えなどのコンクリート躯体を傷つけず、騒音や振動も考えにくい比較的小規模なリフォーム工事ならば、申請の必要がない。
或いは申請の必要はあるものの、理事長の判断で工事承認できるってしている組合さんもあります。
このほか、工事期間が2週間を超える工事のみ申請必要、マンション管理士や1級建築士、更には管理会社のお墨付きあれば理事長は工事承認できるとして機動性を確保している組合さんもあります。
その一方で、残念なことにリフォーム工事に関して何の取り決めもない管理組合さんもあります。

床材の変更工事に関しては、床材の遮音性能をL45以上と限定している組合さんがほとんどです。この場合には申請書に、上下左右の住戸の所有者の承認書の添付をセット、としています。
1番厳しいところでは、上下左右に加え、右斜め上、右斜め下、左斜め上、左斜め下と計8住戸の承認を求める管理組合さんもあります。

面白いところでは、リフォーム工事のためにエレベーターを使用する場合はリフォーム業者から1日につき3,000円の利用料を徴収する管理組合さんもあって、驚きです。

専有部分のリフォーム工事ですから基本的には自由に扱えちゃうわけですが、共用部分である廊下・階段さらにはエレベーターだって使います。騒音や振動で隣戸へ迷惑だってかかります。管理組合がそのリフォーム工事に関して何も知らない、何も関与しないってわけにはいきません。
他方、リフォーム申請出される度に理事会を開催なんてしていたら理事会役員の負荷がまたまた増えちゃうし、その工事を許可していいのかどうかもわかんない、また申請者の方も、理事会が開催されるまで工事は着工できない、となってしまいます。
工夫が必要です。

つぶやき主のポケットには、沢山の事例が詰まっています。