マンション管理士の独り言・・・751

「機械式駐車場」

梅雨時期です。
食中毒にも注意を怠れない時期ですが、マンション管理に携わる者としては気が休まる時のない嫌な時期です。
豪雨です。
昔の雨と違って今の雨は、「ゲリラ豪雨」と称されるように記録的短時間大雨が降り注ぎます。日本が亜熱帯化しているというのにも頷けます。

地下のある機械式駐車場では降雨時にはポンプ(通常2基)がセッセと水を汲み上げます。
フロート球が浮かんでいて水位が揚がるとON,下がるとOFFとなります。
地下ピットの1番低いところに設置され、流れてきた雨水を一手に引き受け揚水します。
これが結構、故障が多いので、“勘弁してよ。豪雨は大嫌い”となります。

故障の原因は、パレットに駐車する車両のタイヤに付着した泥とメンテナンス時のオイルやグリースが混ざってヘドロ状になります。さらに風に吹かれて飛んできたビニール袋やゴミなどがパレットの隙間から入っちゃいます。
これらが水の吸い込み口を塞いじゃいます。吸い込み口が塞がっていてもスイッチが入ったポンプは自分の役目を果たそうと、一生懸命揚水しようとして壊れちゃいます。

ポンプが故障したら何としてもすぐに何としても治さなきゃ、です。
駐車場の車両が浸水でもしたら、大ごとになります。
その修理のために地下駐車区画をご利用の入居者へは、事情を説明して近隣の有料駐車場へ移動をお願いしなきゃいけません。
また、地下駐車区画でない車両の出し入れの際には、一旦修理をストップしなければいけませんから、作業効率が悪く、時間がかかります。
雨の中、この3日ぐらいカッパ着て濡れ鼠です。

機械式駐車場のメンテナンスは、年に3~4回実施されますが一般的にこの時はポンプの作動確認は行いますが、泥やビニール袋の撤去などの清掃は行いません。
エントランスや解放廊下にポリッシャーをかける定期清掃時に、機械式駐車場の地下ポンプ付近の清掃を行う、なんてこともしません。
別途費用はかかりますが、地下ポンプの定期清掃を実施するよう管理組合さんに働きかけなきゃ、です。

さらにビニール袋などが絡まないようにネットも設置しなきゃ、です。以前ポンプが故障したときにネットを設置しましたが、より強固なネットに変える必要がありそうです。
同じ機械式駐車場でも、地下駐車区画があるのとないのとでは、維持管理に雲泥の差があります。

地下駐車区画のある機械式駐車場をお持ちの管理組合さんは年3~4回の定期点検のほかに、定期点検実施日に合わせてポンプ周辺の清掃をお勧めします。
機械式駐車場はただでさえ維持管理にお金がかかるのに、さらにお金がかかりそうです。

今夜もまた大雨のようです。落ち着いて寝られやしない・・・。