マンション管理士の独り言・・・756

「滞納管理費回収方法」

今月号のリビング北九州誌「マンショントラブル相談室」は管理費などの滞納についてその回収方法などを掲載しました。
しかし紙面の関係上、字数に制限があり、概略しか掲載できませんでしたので、より詳しくこの「独り言」でつぶやいちゃいます。

管理費などの滞納者に「何で滞納するの?早く支払ってよ」って催促すると、多くは「スミマセン。いついつまでに支払います」って答えが返ってきますが、まれに「自分の家の前はいつも汚れていて、掃除できていない。こんないい加減な管理に管理費なんて支払えない」って方もいます。
本当にそうなのか、単なる難癖つけているのかはわかりませんが、管理組合とすれば清掃業者へ指示をしなければなりません。
そして、「清掃業者にはもっと丁寧に掃除するよう手配した。」「それはそれとしてお宅は滞納分をキチンと支払ってよ」です。

管理会社は管理委託契約により3~6か月は電話や書面による督促を行いますが、それでも支払われないままだとしても業務完了です。
滞納分の回収の最終責任は管理組合にあります。
管理会社のフロントマンが督促に行っても、滞納者は「自分も組合員だ。管理会社からすれば発注先で、いわばお客様だ」って上から目線の方も多いのであまり上手くいかないこともあるようです。
回収の最終責任者は管理組合ですから、理事長さんなんかがその家を訪問して「滞納分支払ってよ」ってしなければなりません。

「順番が回ってきて、しかもくじ引きで外れて、仕方なく理事長やっているのに、同じマンションに住んでいる人へ督促になんて行けないよ。」
「子供同士が同じ小学校に通ってる。督促に行くのは勘弁してよ」
「エレベーターで顔合わせた時に気まずいじゃん。」
「駐車場に停めている車に傷つけられた困る。恨まれることはしたくない。次期理事長さんがやってよ」なんて考える理事長さんならば、割り切って司法書士や弁護士へ依頼することをお勧めします。

上につぶやいた理事長さんの督促したくない理由、口実は実際に耳にしたものです。

つぶやき主がお世話している管理組合さんでも滞納が発生することが稀にありますが、すぐに飛んで行って、回収しています。
大きな滞納額になる前に回収するのがコツです。
また、滞納に頭を悩ませている管理組合さんの顧問となり、回収を成功させた、なんていうのもあります。
滞納者に、管理組合は弁護士、マンション管理士などにお金を払ってでも滞納分を回収するつもりだ、という本気感を伝えることが大事です。

管理費などの滞納分を免除することは、財産の処分行為にあたり、基本的に組合員全員の賛成が必要とされています。
この世の中で全員が賛成するなんてことはあり得ませんので、必ず回収しなければならないものです。
もし回収できないと毎月キチンと支払っている組合員が馬鹿を見ます。
更に大規模修繕工事などで資金が不足し積立金の値上げや、金融機関からの借入が必要となったときに、「修繕積立金の値上げをする前に滞納者から回収する方が先だろ」「借入を検討する前に滞納分を回収することを考えろ」となります。

厄介な問題ですが、必ず回収して解決しなければなりません。
次回もうちょっとつぶやきます。