マンション管理士の独り言・・・758

「滞納管理費回収法 これでオシマイの編」

滞納管理費などを回収するには、まずは5年の時効をデリートするために債務の承認を行います。
実務的には、滞納者のお宅を訪ねて「管理費などの滞納が○○○円あるよ」って書面に記名捺印をもらいます。
この滞納額確認書への署名捺印により時効は中断します。
このことの手間を惜しんじゃいけません。電話や書面の投函ではダメです。
必ず訪問して面と向かって、フェイス to フェイス で話します。

その後、今後どのように返済するのかの打ち合わせです。
出来れば一括して全額返済がいいのでしょうが、まず無理なので分割方法を滞納者と協議します。
無理のない返済方法としないと、また滞納が始まっちゃいますので、十分実現可能な支払方法をすり合わせます。
返済方法が固まったら、理事長へこの返済方法で良いかの承認を得なければいけません。
滞納者に対しては、「何とか理事長へこの返済方法で承認をもらってくるので、承認となればこの返済方法をキチンと守ってくださいよ。約束ですよ。もし約束を破ったら、今後は一切滞納については認めず厳しく対応しますよ。」と釘を刺すのを忘れずに。

理事長の承認を得られたら、覚書の締結です。
毎月の返済額やボーナス時返済額、返済日などを記入します。
更にもしこの覚書を守らずに再び滞納が始まることのないように、罰則を記載しなくちゃいけません。
罰則には、もし理事長やつぶやき主に何らの事前連絡なしに滞納が始まったときは、①氏名の公表。 ②駐車場使用契約の即時解除 ③分割返済は認めず直ちに一括返済 ④直ちに訴訟手続きに入り、弁護士費用などは滞納者負担 などとします。

氏名の公表はアリです。総会で公表しても何ら差し支えありません。
掲示したって公表したって構いません。
ただし、滞納者にお子さんがいて学校でいじめの対象とならないような気配りは大切です。また、掲示の場合には、組合員にのみ目触れる場所への掲示とします。
オートロックならば、自動ドアの内側で一般の人では入ることが出来ず、また見ることが出来ないところへ掲示するようにしましょう。

管理費などの滞納を防ぐには、滞納が起こらないように予防することが第一です。
一旦滞納が始まってから回収するのは、とても大変ですし、エネルギーがかかります。
額で10万円。期間で3か月。
これを超えると回収するのはかなり大変な作業になりますし、回収終了までの期間もかなり長くなっちゃいます。
そりゃそうですよね。
毎月の管理費、修繕積立金、駐車料金に加えて、滞納分の返済ですから、通常の管理費などの負担額の2倍くらいを支払わなきゃ、となっちゃいます。

滞納額の回収は、予防が1番ですが、それでも滞納が始まっちゃったら、なるべく早い時期に回収しないといけません。
「こんなに滞納額が多額になっちゃったら、払おうと思っても払えないよ~」とならないうちにアクションを起こすことが必要です。

「いつ、やるか?」 「今でしょ」