マンション管理士の独り言・・・763

「力不足」

つぶやき主はマンション購入から管理組合活動全般、更には大規模修繕工事コンサルなどマンションに関することは全てお手伝いしています。
35年に及ぶマンションを含めた建築・不動産業、その間10数年に及ぶマンション販売センター長、2年の管理会社勤務、そしてマンション管理士業です。
マンション管理士業も9年目に入りました。
手前味噌ながら、市内でマンションについてつぶやき主以上の経験を積んだ人はいないのではないでしょうか?

そんなつぶやき主ですが、力不足を痛感する場合もあります。
例えば、顧問としてお世話していた70戸のマンションで、実際に出くわしたトラブルです。1階エントランス奥に主として管理員さんや清掃作業員のためのトイレがあります。
そのトイレを夜な夜な、ある組合員が使用するというのです。
マンション居住者ですから当然ながら自分の住戸にトイレはあります。
昼間は住戸内トイレを使用しているのですが、夜間は何故かエントランス奥のトイレを使用するのです。わざわざ1階までエレベーターで降りてきて使用するのです。
共用部分だから使っちゃいけないことはありませんが、自分の住戸内のトイレを使えばいいのに、です。
ご本人からヒアリングしましたが、「夜間は家族が住戸内トイレは使っちゃいけないというので・・・」です。
何度もお願いしましたが、この件は解決できませんでした。変なこともあるものです。

続いては柔軟剤です。

「隣の住人が柔軟剤をたっぷり使っていてバルコニーに干した洗濯物からキツい臭いがするので、何とかしてもらえないか?」というご要望です。
掲示板に注意書きを掲示しようとなりましたが、なかなかいい文面が思いつきません。
まさか柔軟剤使用禁止なんて出来ませんし、どのくらいまでが限度で、それ以上は使っちゃダメなんていうことも客観的指標がない状態では書けません。
その結果、当たり障りのない文章になってしまいましたが、苦情発信者からも一般の入居者からも、「何を言っているのかさっぱり分かんない」と言われる始末です。

そのほか、軽専用駐車区画にサイズの短い乗用車を停めていて、トラブルになったケースもありました。駐車している方の言い分は、「車両サイズは軽より短いし、線からはみ出しているわけでもない。誰にも迷惑かけてないじゃん」です。
一方管理組合サイドは「軽区画は乗用車区画より毎月の使用料が安くなっている。乗用車なら乗用車分の使用料を負担してもらうべき、という不満の声が上がっている」です。
これは、すったもんだの挙句、軽や乗用車というくくりではなくて、車両の長さ4m超か未満かで整理することで折り合いました。
この件は何とか解決できましたが、当初は力不足を痛感していました。

マンション管理士として管理組合さんのトラブル対処法の引き出しがずいぶん増えていると感じていますが、それでも力不足を感じることもままあります。
難しい仕事です。