マンション管理士の独り言・・・767

「マンション寺子屋」

今週号のリビング北九州誌「マンショントラブル相談室」では、マンションを購入しようって人へマンション管理士からの視点でその注意点を話しています。
紙面の都合もあり満足のいく回答じゃありませんでしたので、補足説明をつぶやきます。

マンションはじめ家を購入するということは多くの方が、その生涯で一番高価な買い物をすることに他なりません。
当たり前ですが、後悔や失敗しないように気を付けなければなりません。
住まいの場合、失敗したからと言って、そう簡単に住み替え、買い替えできるものではありません。

マンション購入に際しては、立地・環境・利便性・通勤通学の所要時間・学校区・設備仕様・構造耐震性・間取り・価格・眺望・売主や建設会社の信用性・デザイン性・資産価値などの言わばハードなものにばかり視点が行っちゃいます。
利便性より学校区を優先すべき何てものはありません。
人によって利便性より学校区を優先する人もあれば、その逆だってあります。
そのどちらも正解です。その人によって優先順位というモノサシ(判断基準)は違います。
人によってモノサシが違うので、その人がいいと思った方を購入すれば良いのです。

ところが管理規約を始め使用細則や長期修繕計画、さらには販売方法、セールストークには決まったモノサシがあります。
管理規約は購入者全員に平等で、ある人には都合がいい管理規約だが、違う人には都合が悪いなんてことはあり得ないはずだと思っているでしょうが、実際には“いい管理規約”と、“ヘンテコな管理規約”は存在します。
さらに購入者にとっていい加減な販売方法やセールストークだって存在します。
そんな“ヘンテコな管理規約”や“いい加減な販売方法やセールストーク”のマンションを買うと、住み始めて必ずそれがもとでトラブルが発生します。必ずです。

「会ったことも見たこともない」「マンション買うのなんて初めて」「年齢・世代・学歴」「家族構成」「育った環境」「価値観」「社会的ポジション」など全てにおいて異なる大勢の人が法律上の共有関係になって、壁1枚床1枚隔てて他人が住む集合住宅に住むことになるのがマンションです。
知った者同士が共有関係になっても揉め事は起こるのに、ましてや「会ったことも見たこともない」「マンション買うのなんて初めて」「・・・・・・・」。
これらの方々が1つの建物に住むことになるのです。
トラブルが起こらないわけありません。
そんなトラブルが起こらないように未然に防ごうとしているものが管理規約などです。
不幸にしてトラブルが起こった時であっても、解決方法の道筋が示されているものが管理規約などです。
そのマンションを購入して住むに当たっては、「管理規約に書いていることを守りますよ、私も守るからこのマンションを購入する他の人も守ってね」と約束して購入することになります。
その管理規約の内容を理解せずに購入するっていうのは、感心しませんね。
ましてや「ヘンテコな管理規約」だったら、ど~すべ、です。

また、「売ってしまえば後は知らない」って態度の売主や営業マンが販売するマンションでも入居後必ずトラブルが発生します。
重要なことはしっかり確認することが必要です。

マンション購入希望者や、もうすでにマンションを購入して管理組合の役員さんをやられている方など、マンションに関連するすべての人を対象に「マンション寺小屋」を開催します。詳しくはリビング北九州誌を。

次回もマンション購入するならここに気を付けてね、ってポイントを実例を織り込みながらつぶやきます。