マンション管理士の独り言・・・768

「買ってはいけない新築マンション」

一時期「買ってはいけない」という本がブームになりました。
固有名詞や商品名を出して、「グ○コの○○チョコレートは買ってはいけない」なんて書いていました。
“こんなこと書いていいの”って思いましたが、流石に買ってはいけないと名指しされた商品のメーカーの中には、訴訟を提起するところもあったようです。
北九州市内マンションでも買ってはいけない、と思う物件は新築・中古ともにありますが、平和主義者のつぶやき主は固有名詞は出さずに、つぶやきます。

まずは絶対買わないマンションです。
分譲駐車場のあるマンション。
そもそも敷地全部を売っておきながら、何故駐車区画を分譲できるのか、さっぱりわかりません。
分譲駐車場のせいでマンション居住者間でトラブルになった例を嫌というほど見て来ています。分譲駐車場のあるマンションは将来必ずトラブルになります。
そして残念なことにこのトラブルは解決できません。
そのマンションに住んでいる間ずっと居住者間でわだかまりとなって残ります。
北九州だけの悪弊販売方法が分譲駐車場です。いい加減に止めろよ!です。

続いては未販売住戸についての管理費・修繕積立金を売主が負担しないマンション。
将来の大規模修繕工事時に修繕積立金が未収の分だけ不足するのが目に見えています。
売れていなくたって売主所有の住戸なんだから、未販売住戸の管理費などもキチンと負担しろよ、です。
その一方で未販売住戸の管理費や修繕積立金は勿論、住戸1につき駐車区画1の使用料も負担するっていう売主さんもあるので、天と地ほどの違いがあります。

更に駐車場使用料がタダのマンション。
売主が管理組合活動の原資となる駐車場使用料をタダ、なんて決めるなよ、って感じです。多くの場合駐車場使用料は、修繕積立金へ充当されますので、使用料が入らない分だけ修繕積立金の不足を招き、これも将来の大規模修繕時に資金不足に陥ります。
タダの駐車場使用料を有料化するのがどれだけ大変なことか身を持って感じています。
上記3つのパターンは将来必ず居住者間でトラブルになります。

絶対買わないまではないけれど、なるべくなら買わない方がいいマンションは、修繕積立金を低く設定しているマンションです。「ローンの支払いや管理費、修繕積立金の負担額を加えても○○円で済みますよ。まだ賃貸に住み続けますか?」なんてフレーズで積立金額を敢えて低く抑えています。
その分5年後10年後に積立金が2倍~3倍へと値上がりするのが目に見えています。
積立金の値上げを提案するときの総会が大紛糾します。
長期修繕計画で値上げについてキチンとわかるように示してくれていればまだしも、長期修繕計画さえ提示しない売主さんまであるので、困ってしまいます。

この他、駐車区画が軽専用や機械式等多種多様にあるのに、住戸売却時に次の買主にそれまで売主が使用していた駐車区画を引き継げる、ってしているマンションもトラブルになります。
軽区画や機械式を使用している人が、平面の乗用車区画へ移動したいと思っていてもなかなか叶わず、新規で購入した新参者がいい区画を引き継ぐってことに不満が溢れます。

これらについてはマンション購入時に渡される管理規約案にすべて書かれています。
しっかり確認しなきゃですよ。
「よくわかんない」とか「てっとり早く理解したい」って御仁は10月1日のマンション寺小屋へご参加ください。