マンション管理士の独り言・・・778

「リフォーム工事申請」

不動産業者さんが、お値ごろの中古マンションを購入し、内装をやり変え、いわゆるリノベーションを行って付加価値を高めて再販するという販売手法が流行っています。
この場合、不動産業者さんから工事内容がわかる図面や仕様書、工程表などが理事長あてに提出され、それについて承諾を求められます。
これら工事の内容がわかるものを理事長あてに提出することなく、勝手にリノベーションしてしまう悪質な業者さんもたまに見かけますので、ご用心です。
つぶやき主がお世話している管理組合さんで5年ほど前に何も提出することなく、リフォーム工事に着工してしまった業者さんがいましたが、直ちに工事をストップさせました。
その後工事内容がわかる図面や仕様の提出を求め、上下左右の居住者の同意書を添付させ工事再開となった例があります。
最近では、分譲マンションでのリフォーム工事にはそのマンション独自の届出~承認という一連の流れがあるということが浸透してきたみたいで無届着工はあまり見かけなくなりました。

提出された工事申請書の扱いは、多くの管理組合では、理事長は理事会を招集→理事会で当該工事を承認→工事着工という流れとなります。
工事申請があった都度、理事会を開催するのも大変だし、という事情もありマンション管理士や1級建築士の承認あれば工事承認できる、としているところや管理会社の建築士の承認を求めることができる、などとして機動性を持たせている管理組合さんもあります。

工事承認する際には、「床や壁コンクリート部分などの構造躯体を扱わない」「穿孔しない」などは勿論ですが、それ以外にも工事期間中のルールを作成しておくことが必要です。
隣接住戸の承認を得なければならないのか?承認必要ならば上下左右4住戸でいいのか?工事車両の駐車スペースは?部材や荷物の搬入はどこから行うのか?オートロックの解除は認めるのか?共用部分を傷つけないように養生はどの程度まで実施してもらうか?日曜の工事は禁止なのは当たり前ですが、土曜や祝日の工事は認めるのか?工事時間は何時から何時までか?・・・などです。

面白いところでは、エレベーター使用料をリフォーム工事業者へ課している管理組合さんもあります。1日3,000円です。
その管理組合さん独自のリフォーム工事についての取り決めを作成すれば良いのです。

つぶやき主の場合、「工事期間中順守事項」というのを作成して、それに施主と工事業者に発行しています。
工事期間が長期に及ぶ際には、「工事期間中順守事項」について署名捺印のある「誓約書」の提出を求めています。

今後は不動産屋さんのリノベーションマンションのみならず、子供さんが成長し、同居しなくなったというご家庭が増え、部屋数が余ったので1部屋つぶしてリビングを広くしたいなどの居住者のリフォーム工事が増えてくることが予想されます。
場当たり的なリフォーム工事承認ではなくて、総会で承認を得たルールを作成することをおススメします。

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多くの方のご参加をお待ちします。詳しくはリビング北九州誌を