マンション管理士の独り言・・・789

「民泊特区」

北九州市は民泊を国家戦略特区へ申請する予定らしいです。
国も海外からの観光客取り込みのために不足しがちなホテル、旅館に代わるものとして民泊を推進しています。
北九州でも何故だかよくわかりませんが、八幡製鉄が世界文化遺産に指定され??映画のロケを誘致したりで、観光に力を入れようとしているようです。

しかし分譲マンションでは、管理規約があり、そこに住む以上守らないといけないので、国交省では「標準管理規約」に民泊がOK!なのか、あるいはNO!なのかをキチンと盛り込んだ「標準管理規約」を作成する方針だそうです。
歩みが遅いっすね。

北九州市では民泊問題を実際に抱えているマンションはあまり耳にしませんが、沖縄や京都、最近では福岡でもこの問題に頭を悩ませている管理組合さんもあるようです。
実際には行ったことも、見たこともない沖縄の管理組合さんから民泊についてご質問を受け、アドバイスしたこともあります。
お世話している管理組合さんには、機会あるごとに「規約に民泊禁止条項を盛り込みましょう」と提案していますが、「北九州ではそんな心配ないよ」って意見がほとんどです。
それでも「今のうちに規定していた方がいい」という前向きな管理組合さんもあり、つぶやき主草案の民泊禁止条項を盛り込んだ管理規約改正をすでに3件実施しています。
民泊禁止条項を盛り込みたい管理組合さんで、つぶやき主草案の禁止条項を知りたい方は、ご連絡ください。
隠すことなく、教えちゃいますよ。

3LDK、4LDKというファミリー向けのマンションならば民泊は迷惑千万で禁止条項を盛り込むことになるのでしょうが、ワンルームや1LDKなどの投資目的の住戸があるマンションでは、民泊OK!とするところも出てくるのでしょう。
ワンルームなどの投資向けと4LDKのファミリータイプとが混在するマンションでは、禁止にするのか、認めるのかについて揉めるところが出てくるかもしれません。

そもそも投資向けマンションで民泊をOKとする条項を盛り込んだ規約改正をしようとして、実際に可能なのかどうかとても疑わしく思っています。
ファミリー向けならば多くの組合員がそのマンションに実際に住んでいるので管理規約改正に必要な議決権数、組合員の頭数は揃うのでしょうが、ワンルームの場合、そこには住んでいないという組合員がほとんどなので、規約改正どころか総会開催もままならない、というのが実態ではないでしょうか。

いくら「標準管理規約」に民泊OKを盛り込んでも、実際にターゲットとなるワンルームマンションなどの投資物件では、規約改正に必要な4分の3以上の承認を得るのは難しい、って気がしています。