マンション管理士の独り言・・・805

「御用聞き」

いろんな理事会さんのお世話をしていますが、最近よく感じることがあります。
それは理事会を紛争処理係り、あるいは御用聞きと勘違いしている組合員が多いという事です。
また、総会時には何かと細かいことに難癖つけてくる組合員が多くなったような気がします。何が気に入らないのかわかりませんが、議案とは関係ない部分で揚げ足取ったり、こうすべきだという「べき論」を滔々と論じる方が増えているような気がします。
そこには役員さんに対する敬意や、感謝の念は全く感じられません。
役員さんの中には、「毎年総会で役員さんが吊るし上げを喰う。総会は年1回の通常総会以外は絶対やらない」と公言してはばからない人もいます。

典型的な例が、「上階からの音がうるさい。理事会で何とかしてくれ!」です。
理事会が何とかしてくれるのが当然といった、上から目線で苦情が寄せられます。
騒音に関する苦情に対しては多くの理事会では、“騒音注意”とした掲示物を貼りだしたり、それでも効果がない時は騒音発生源のお宅へ苦情を申し入れに行く、といった対応をとります。
しかしそれが理事会の“当たり前”の役割ではないのです。
「隣戸からの騒音に関しては管理組合は一切受付しません。当事者同士で解決願います。」と管理規約に規定しているマンションだってあります。

桜の木の樹液が車につく、何とかしてくれ!
階段室に蜘蛛の巣が張っていて見苦しい。何とかしてくれ!
違法駐車が目につく、何とかしてくれ!
ゴミだしマナーが悪い、何とかしてくれ!・・・・です。
理事会として清掃業者へ依頼すべきことは当然理事会で行いますが、・・・
蜘蛛の巣が張っていれば気が付いた人が自分でとればいいじゃん。
ゴミだしマナーがなってない人を見かければ、見かけた人が注意すればいいじゃん。です。
自分では気づいていても行わず、管理人さんがいれば、管理人さんへ。いないときは理事会へ苦情が寄せられます。

多くのマンションでは役員就任を、輪番制で行っています。“自分もかつて役員を経験したことがあるだろうに”と思いますが、何でもかんでも理事会に苦情を申し入れます。
これじゃ、理事のなり手がなくなるだろう、っていうのが実感です。

以前は理事長を何期も努め、そのマンションの主のような方もいました。
何期もやっていると、組合員からも尊敬を受け、また信頼もされています。
発言にも重みが増し、「理事長がいうことなら聞くべ」で解決されることもありました。
少なくとも、理事会を苦情処理係りと勘違いするような組合員はおらず、秩序もそれなりに保たれていたような気がします。
ところが最近は、役員就任は輪番制で1年総入れ替えですので、就任した役員さんもどちらかというと消極的で、大禍なく任期が過ぎることを期待している方がほとんどです。
そこには当事者意識も希薄です。

そのことを組合員も知っているので、理事長始め役員さんに対して敬意を払わなくなっちゃいます。
報酬もなく、自分の時間を割いて理事会へ出席し、皆のマンションライフが少しでも良くなるようにと活動している理事会です。
もう少し敬意を持って向き合ってもらいたいものです。

因みに、理事会へ持ち込まれた苦情を処理するのは、・・・つぶやき主です。

独り言じゃなく、愚痴です。ボヤキです。