マンション管理士の独り言・・・808

「受水槽」

毎朝エースの散歩を欠かしません。
エースというのは、飼っているオス(去勢しているから正確にはオスじゃないかも)のビーグル犬です。もう15歳になります。
お気づきでしょうが、つぶやき主の会社「エースマンションコンサルタント」のエースはこの犬からもらったもので、もし仮にワンちゃんが太郎だったら太郎マンションコンサルタントだったはずです。

散歩の途中に築20年くらいのマンションがあり、まだ一度も大規模修繕工事を実施していないようです。
あちこちが煤けていて“早く補修すればいいのに”なんて思っていますが、特に受水槽の痛みが激しく目につきます。
このマンションは、川沿いにあり、緑も多く、沢山の人が散歩コースとしている歩道わきに建っています。
受水槽は塗装も剥げ落ち、緑の苔がびっしりと貼りついています。
こうなると受水槽内部には太陽光線が届くようになり、その結果光合成が起こりやすくなり、内部に苔や藻が発生します。
飲み水ですから、何より清潔さが求められます。苔や藻が発生してはいけません。

受水槽には年に一度の清掃と定期報告が義務つけられています。
義務つけられていても、自主管理のマンションなどではこれらを実施していないとこもあります。
このマンションも、清掃や報告は行っていないのでは、と思いますが、散歩の途中に人相の悪いオッサンから、「受水槽の清掃や定期報告やってるの?」なんて聞かれても気味悪がられるのが関の山ですから、散歩のたびに気になりながらも、素通りしています。
「ここの水は飲みたくないよな」です。

平成13年以降くらいに建てられたマンションでは、給水方式は受水槽や高置水槽方式ではなく、前面道路の水道本管から各戸へ直接給水する直結増圧方式になっています。
簡単に言えば戸建てへの給水方式と同一です。
直結増圧給水方式は、受水槽や高置水槽など水道本管から一旦水を貯める設備がないので何より清潔ですし、また清掃費や報告費用もかかりません。
更に受水槽を設置しないので、その空いたスペースを駐車場にするというように有効利用できることもメリットとなります。

北九州市水道局も、パンフレット作成、出前講座などを通して直結増圧給水方式を奨励しています。
つぶやき主も2つのマンションで受水槽方式から直結増圧給水方式へ変更しました。
変更するには、まずは現在使用している各戸への給水管がポンプで圧送給水する圧力に耐えられるかどうかの調査が必要です。
また、工事費、口径別納付金など変更時には多少のお金がかかりますが、受水槽方式から直結増圧給水方式への変更はいいことずくめです。

総会での承認が必要ですが、今年度実施されては、いかがですか?