マンション管理士の独り言・・・824

「総会を開催したくない理事長」

総会のシーズンです。
3月決算の管理組合では、3月の理事会くらいから今年度の決算報告や事業報告をまとめ、次年度の予算案や事業計画案の立案を手掛けるところが多いでしょう。
総会は年に1度開催しなければなりません。開催しなければその時の管理者(=理事長)は20万円以下の罰金が科せられるほどです。
通常総会は、どこの管理組合でも開催されていると思います。
ところが臨時総会は開催しない組合さんが目につくようになりました。
最近では多くの管理組合さんからご相談をいただくようになり、そのご縁もあってそのまま顧問としてお世話させていただくことも多いのですが、総会開催をしぶる理事長さんが多くなっているのが気にかかります。
「総会は年に1度で十分。臨時総会何て絶対開催したくない」です。

理由は簡単です。総会で理事会が非難されるからです。
どうかすれば“吊るし上げ”とも言えるような酷い言葉で非難される場面にも出くわします。
「見積もりは2社からでなく3社からとるべきだった」「理事会で判断するのでなく総会にかけるべきだった」「この議案書じゃ、意味がわからない。文章の書き方がおかしい」など何でもかんでも非難の的にされちゃいます。
“世の中が受容社会でなくなってきている”なんて言われていますが、これが管理組合にも現出し“クレーマーのうっぷん晴らし”の総会になっている感があります。
そこには、“役員の方はご苦労様です。いつも組合員のために有難う”などの感謝の気持ちは忘れ去られているようです。
理事長宅に、「○○は何でこうなっている?総会で質問するからね」とわざわざ電話してきて糾弾することを告げる人だっているから質が悪いです。

昨年の総会では「理事長に聞きたい。なんでこうしたのか?返答しろ」なんて意見が出されました。
つぶやき主が「そんな質問を理事長個人にされたら、今後理事長のなり手がいよいよいなくなる。つぶやき主が代わって答えます」としたこともありました。
多くの役員さんは無報酬で、仮に報酬があったとしても微々たるものです。
それなのに自分の時間を割いて、ボランティア精神を発揮して、この管理組合のために一肌脱ごうとして、理事の役割を務めているのです。
感謝しなきゃです。

通常総会の後は、引き続き新役員による第1回目の理事会が開催されそこで理事長などの役職が互選されます。
互選といいながら副理事長や監事には立候補者がいますが、理事長に立候補しようなんて人はいません。くじ引きで決まっちゃいます。
そりゃそうですよね、さっきまで開催されていた総会で非難の的に立たされていた理事長なんかに誰も立候補しませんよね。

「理事長になるのは嫌だ、なれば総会で非難の的になる。総会も1回しか開催しない」という図式が出来上がっていきます。
そして年に一度の通常総会では、「○○は理事会で判断すべきでなかった。臨時総会を開催して議論すべきだった」と非難されちゃいます。
結局非難されちゃいます。

2月は町内会長さんを集めたセミナーで2回、月末には日本ハウズイングで大規模修繕工事セミナーでも講師を務めました。のべ200人近くの方の前で、話したことになります。
おそらく、上手です。