マンション管理士の独り言・・・831

「ゴンドラ作業」

共用部2年点検のご依頼をいただき、念入りに2週間くらいかけて調査を行いました。
ご入居者へアンケートを実施し、ご都合のつくお宅へは入室させていただき、バルコニーの調査も行いました。
そして施工会社から提出された補修計画書の検証を行い、いよいよ不具合箇所の手直し工事が実施されます。

外壁の補修工事がかなりの箇所・面積で行われますが、ゴンドラを用いるようです。
風が強い場所なので、足場を組んでの作業をお勧めしたのですが、コストもかかるということでゴンドラ作業となりました。
ゴンドラを吊り下げられない個所についてはブランコや足場を組んでの対応となるようです。
鳩避けネットを設置するためのブランコ作業に何度か立ち会ったことがありますが、足がすくみます。
念には念を入れて、命綱をあっちにもこっちにも引っ掛けて安全を確保していますので、万が一にも落ちることはないと思われますが、それでも作業員の方も初めの一歩の踏み出しの時は緊張するって言われてました。

高所でのゴンドラ作業は、地上より風の影響を受けやすくなりますので、2人で乗り込んでも1人はゴンドラを安定させる役だけになってしまうこともあり、効率が良いとはいえません。
外壁補修を専門とする塗装屋さんは高所でのゴンドラ作業にも慣れていますが、バルコニー床の防滑シート貼り換えなどを行う内装屋さんはゴンドラ作業に慣れておらず、やってくれる職人さんを探すのに一苦労します。
また、工事中や工事後の検査を行うことが出来ません。
理事さんや修繕委員さんにゴンドラに乗ってもらう事はできませんし、また、乗りたがる人もいません。

大規模修繕工事時にも、コスト削減のために足場を組まずにゴンドラ作業を勧める業者さんもいるようですが、あまりお勧めできません。
上記の様に作業効率と工事精度、さらには検査できないという点からです。
ゴンドラ作業はあくまでスポット的な補修工事の際に用いるものだと考えます。

補修する業者さんも大変ですが、入居者も管理組合も大変です。
ご入居者には、バルコニー内の片づけや一部移動をやってもらわなければなりません。
部屋の隅にブルーシートをひいてしばらくの間は、保管しなければなりませんし、職人さんの出入りもあります。

業者さんは、バルコニー補修のため入室スケジュールをご入居者と打ち合わせなければなりません。多くの職種の職人さん出入りとなりますので、一日では済みません。
部屋にいて頂かなくてはなりませんから、外出を控えてもらう事だってあり得ます。

管理組合は、作業車の駐車場確保のためにご入居者へ車の移動を求めたり、代替駐車場の手配も必要かもしれません。
これら全てにつぶやき主が関与しなくちゃ、となります。
一番大変なのは、つぶやき主では、と思います。

補修工事には3か月くらいかかりそうです。
安全第一で実施してもらわなくちゃ、です。