マンション管理士の独り言・・・837

「犬のサイズ」

お世話している管理組合さんで中古として売り出されていた住戸に購入希望者がつきました。早速仲介業者から管理会社へペット飼育についての確認の連絡がありました。
管理会社が「飼育可能なワンちゃんのサイズは、体長50㎝までです。」というと、「体長ってどこからどこまでの長さですか?」という仲介業者からの質問。
管理会社は「管理規約には、具体的にどこからどこまでって規定していませんが、体長って社会一般通念上は鼻の先から尻尾の付け根でしょう」
これに対し、仲介業者「不動産業界では首の付け根から尻尾の付け根までを指しますよ」
管理会社「・・・・・・・」
そこで管理会社からつぶやき主に「どうしましょう?」です。

確かにここの管理規約では単に体長50㎝以内としているだけです。
同じ50㎝でも鼻先からなのか、首の付け根からなのかで全体のサイズはかなり違ってきます。
血統書などを発行するジャパンケンネルクラブの規定を調べましたが、ここでも具体的に体長の基準はありません。

そこでいろんなマンションの管理規約を調べました。
体高や体重で定めているものや、JRなどに持ち込みが許されている手籠に入るサイズのもの、としているものや、ワンちゃんの図柄入りで明確にサイズのはかり方を記しているものもあります。
ワンちゃん一覧表を作成し、ダックスフントはいいが、柴犬はダメとしている管理規約もあります。
図柄でサイズを記しているものでは、体長というのは、首の付け根から尻尾の付け根までと定めているところが多数でした。
管理会社へは「体長の図り方については明確に決まっていないので、理事会で検討しなきゃ、です。総会で決めるのが一番望ましい」というアドバイスとなります。

結局、この購入希望者さんはこのことが理由ではなくて、この物件は買わなかったようです。
次回総会で、体長についてはそのサイズの図り方をキチンと規定しなきゃ、です。
この他、体重や体高などについても見る人によって解釈が違わないように具体的に規定することとします。

最近分譲のマンションでは、情報公開がだんだん後退しています。
つぶやき主が販売センター長だった頃は、価格表にはチャンとその住戸の価格を構成する土地代・建物代・消費税を載せていました。
建物価格がわかるので、その住戸の建物としてのグレードが想像できましたし、建物そのものの比較が他の物件との間でもできました。

折り込みチラシには、総戸数○○戸で、販売戸数○○戸と現在の残戸数を掲載していました。販売戸数=残戸数だったのですが、今ではほとんどの売主が総戸数=販売戸数としています。わざわざ紙面を割いて同じ戸数を記しても意味ないのですが、前回の公告時からの売れ行きを知らせたくないので、総戸数を2度書きしています。

販売センターへ行っても、検討住戸以外の間取りや価格はシークレットにしているところもあります。
シークレット傾向の強いマンションは、売れていないと思ってまず間違いありません。
売れ行き好調ならば、販売センター正面の壁に売約済のバラを沢山刺した価格表を掲げ、「こんなに売れているんですよ。皆さんにいい物件だと評価されているんですよ。早く買わなきゃなくなっちゃいますよ」と積極的なセールストークをとるはずですから。

姑息な手段を用いる販売手法には感心できません。