マンション管理士の独り言・・・843

「マンションの買い方・・・管理規約の大切さ」

先週の水曜日(9日)に北九州市各区のコミュニティ支援課の係長を集めての会議の場で分譲マンションの意思決定の仕方について1時間ばかりお話ししてきました。
つぶやき主は、「分譲マンション入居者の自治会加入促進」事業の唯一の登録専門家ですから、各区の町内会長さんを集めての話など頻繁に引っ張り出されています。
札幌市からお声が掛るほどなので、市のご担当者からも「どんな話するっちゃろ?」なんて興味津々だったのかもです。

札幌や北九州市での講義や、現在取り扱っている裁判案件などですっかり忘れていましたが、独り言839で「次回は管理規約の大切さについてつぶやきます」って宣言していました。遅ればせながら、今回は管理規約の大切さについてつぶやきます。

マンション購入時に、担当営業マンから重要事項説明を受けて、売買契約書に署名捺印を求められ、その折に管理規約を手渡されます。
管理規約についてはその内容を説明されることはほとんどありません。
また、管理規約の内容を説明できる営業マンは、残念ながら、××です。いません。
皆無と言っていいほどです。
営業マンが説明できないのは、その営業マンの能力がないという意味ではなく、宅建業法では説明する必要がなく、また新築マンションの販売と、住んでから以降の管理とは同じくマンションに関する事柄だとは言っても、ジャンルが異なるからです。

さらに売っているマンションの管理規約が国交省が指針とするよう指導している標準管理規約や他のマンションの管理規約とどこがどう違うのかなんて営業マンに分かるわけありません。
このあたりについて分かるのは一般的には管理会社ですが、管理会社であっても標準管理規約との違いなどはわかるでしょうが、他のマンションの管理規約との違いなんて分かりっこありません。他のマンションの管理規約何て見る機会がないから分かるはずがないのです。

こと北九州に関してだけですが、標準管理規約との違いや他のマンションの管理規約との差異をわかるのは、つぶやき主だけです。
今週になり、「サンパーク大手町中央レジデンス」「リヴィエールルシェル光貞台」更には小倉駅前再開発積水ハウスの「グランドメゾンガーデンシティ小倉」の管理規約の検証を行っています。
事務所の中は、いろんなマンションの管理規約で溢れています。

話しを元に戻しますが、重要事項説明書と売買契約書と管理規約と、どれも重要な書類ですが、その中で敢えてどれが一番重要かと言うと、圧倒的に管理規約です。
重要事項説明書と言うのは、マンションと言う高額な不動産の売買にあたり、購入者が“後でこれを聞いてなかった。知らなかった。”とならないように、宅地建物取引業法(通称:宅建業法)で「これとこれは重要なものだから購入者に必ず説明しなさい」と決められている重要なことを説明している文章です。宅地建物取引士という国家資格保持者が免許
を示しながら説明することが義務つけられています。
しかし反対に言えば、宅建業法で説明が義務つけられていない事項に関しては言わなくても良いってことです。

売買契約書は、売主買主双方の合意の元の売買について書面化するものです。簡単に言えば、「このマンション売ってよ」「○○万円で売ってやるよ」「△△銀行ローンを使って買うよ」「分かった。君に売るよ。引き渡しはローン実行時だよ」なんて言う具合です。
売主買主双方のみに有効な法律関係を書面化したものです。

これに対して管理規約と言うのは、買主のみならず、その買主から更に中古として買った買主(特定承継人と言う)、その購入住戸に一緒に住む同居人、賃借人、さらには、その購入住戸を買った人が亡くなった際の相続人(包括承継人と言う)まで、その効力が及ぶのです。

次回はさらに詳しく・・・。