マンション管理士の独り言・・・847

「タバコ」

小池都知事率いる「都民ファーストの会」が連立を組む公明党都議団と、今度の都議会で「子供がいる室内での禁煙」「子供が同乗している車両内での禁煙」みたいな議案を提出するようです。
東京オリンピックを目前に控えても国の禁煙政策が遅々として進まないのに業を煮やして、それならば都独自でグイグイ進めちゃいます、ってことのようです。
いくら換気扇の前でタバコを吸っても、しばらくの間は喫煙者の喉や口内にニコチンなどが残留するので、その喫煙者が入った部屋にいる子供などが3次被害を受けるということらしいです。

分譲マンションでは、多くの管理組合で使用細則に「敷地や共用部分での禁煙」と謳っていますが、共用部分だけど専用使用部分であるバルコニーに関しては、グレイな部分となっていました。正確には、最近まではなっていました、です。
「エントランスやエレベーター内などの共用部分でありかつ共用使用部分ならば禁煙はごもっともだけど、共用部分だけど専用使用権がついたバルコニーまでは、目くじら立てて禁煙とまではしなくていいんじゃない」っていうのが最近までの風潮でした。
多くの管理会社さんもそのように思っていましたし、つぶやき主もそうでした。
どうしても“バルコニーでも禁煙”としようとする管理組合さんは、わざわざ総会でバルコニーでの喫煙禁止という議案を上程し承認を得たり、或いは使用細則に規定していました。
「共用部分は禁煙だけど、共用部分であっても専用使用権のあるバルコニーは禁煙ではない。バルコニーでタバコを吸うのは通常のバルコニーの使用制限の範疇だという認識」なのが大勢だったように感じています。

しかし、最近では「バルコニーでの喫煙による被害者の会」が結成され、しかも設立者が驚くほど多くの方が入会しているという現状では、「バルコニーは共用部分であり、禁煙」というのが主流となっています。

理事会を開いても以前のように「バルコニーでタバコを吸っちゃいけないの?」なんて質問も出なくなりました。
稀に出ることがありますがそんな時、管理会社さんは、「バルコニーは共用部分なので禁煙です」と即答します。
今やバルコニーは禁煙というのがスタンダードです。

分譲マンションでのタバコ害は、バルコニーで吸う事によるによる隣の住民等への副流煙2次被害だけではありません。
多くのマンションでバルコニーからのタバコのポイ捨てが見られます。
これは防ぎようがありません。掲示板などで何度注意してもなくなりません。
管理員さんが捨てられた吸い殻を集めて、それを掲示文に写真付きで、「ポイ捨てしてる人は分かっています。直ちに止めるように」としてもなくなりません。
「吸い殻からDNAを採取して調べればわかる」なんて役員さんもいますが、そんなことが簡単にできるわけがありません。
つぶやき主はポイ捨て箇所から、このあたりの住戸の人かなと目星をつけて1件1件訪問したこともあります。
警察にお出ましいただいたことさえあります。
しかし残念ながら、効果が表れたのはほんのちょっとの期間だけでした。

バルコニーで喫煙禁止ならば、ポイ捨ても根絶できそうです。他力本願ながら、頭痛の種が1つなくなりそうです。