マンション管理士の独り言・・・857

「空き駐車区画、その2」

空き駐車区画の抽選会が行われたことは前回つぶやきましたが、後日談です。
抽選会で当たりくじをひけなかった方から、「他のマンションでは3年とか5年おきに区画のシャッフルをやっている。うちのマンションでもやってよ」「数年に一度のシャッフルの方が公平だろ。シャッフルしてるマンションの方が多いよ」というご意見です。
ごもっともなご意見で、公平性の観点からもベターな方法です。国交省も望ましいとしているほどです。
現に北九州でも、数年おきにシャッフルしている管理組合さんもほんのチョットですがあります。
つぶやき主がお世話している小倉南区の管理組合さんでは4年に一度のオリンピックの年にシャッフルを実施しています。
昨年実施しましたが、結構大変な事務作業でした。

ですが、このシャッフルを行うには必須条件があります。
どの区画でも、どんな車両でも駐車できるというものです。
機械式駐車場、縦列2台区画、軽区画、屋内区画、屋外区画なんていう数種の区画が混在していれば、シャッフルの結果、当たった区画に車両が停められないという事態が発生します。
特に機械式駐車場はルーフ車の高さ制限がある場合が多いです。
数種類の駐車区画が混在している管理組合さんでは、まず不可能です。収集がつかなくなります。
そもそもどんな車両でも、停めることができる駐車区画を持っている管理組合さんなんて滅多にお目にかかれるものではありません。

仮にどの区画でも、どんな車両でも、停めることができたとしても、シャッフルを行えば車庫証明の取り直しが必要になってきます。
昨年実施した南区の管理組合さんでは敷地内の移動であっても、事前に警察署へ届けることも行いました。

仮に全区画が平置きであっても、実施していない管理組合さんがほとんどです。
その理由としては、「ちょっとエントランスからは遠いけど、停め慣れている」というご意見も多いのですが、まずは管理会社さんがやりたがりません。
抽選会の段取りはじめ事前事後の事務処理が沢山あります。抽選のたびに、駐車場使用契約まで書き換えるまで行えば、大変な事務作業です。
また、区画により使用料が異なれば、口座振替手続きだけでも大変です。

数年おきに移動を行った場合でも、新しい区画への移動作業手配が結構大変です。
「〇月〇日の12時をもって一斉に移動を行います」としていてもその時では都合悪く、移動できない、という方がいたりします。
Aさんが区画1番に移動するのだけれど、1番区画の現在の利用者Bさんがその時間には車を置いたまま不在 → AさんはBさんが利用中の1番区画へ車両を移動できない、Aさんが移動できないと、新たにAさん利用区画へ移動するCさんが移動できない。そんな連鎖が続くこととなり、ニッチもサッチも行かなくなったりします。

駐車場異動に限らず、簡単に「こうしたら今よりベターじゃん。公平じゃん」と言われる方がいらっしゃいますが、「言うは簡単、実施は大変」。
しかも上手くいかなかったり、スムーズに運ばなかったりすると、管理会社やどうかしたらつぶやき主まで非難されちゃいます。
も~大変。