マンション管理士の独り言・・・867

「どこも、かしこもタイルじゃあ?」

毎朝モノレール駅周辺を犬の散歩しています。
エースという名前のビーグルです。もう16歳の老犬です。
尻尾が根元から半分くらいしか毛が生えていません。
飼い主に似て毛が抜け落ちてしまいました。
飼い主は頭、ワンのほうは尻尾という違いがありますが、飼い主に気を使ったのでしょうか・・・。
お分かりの通りつぶやき主の会社「エースマンションコンサルタント」はこの犬の名前からきています。犬の名前の方が先です。
もし犬がポチだったら、「ポチマンションコンサルタント」だったかも。

モノレール駅には外壁のいたるところにタイルが貼っています。
1度でも乗ったことがある人はお判りでしょうが、駅舎にはモノレールが発着するたびにかなり大きな振動が発生します。体にも感じるほどです。
その影響でしょうか、アチコチでタイルが剥落しています。
“こんなに振動が激しい所にタイルは貼らないよな”って当初から思っていました。
冗談半分でまだ張り付いているタイルをちょっと堅めのキーなんかで叩いてみましたが、コンコンと面白いように浮きが見られます。

またタイルの貼り付け方も、あきれることに深目地仕様です。
タイルの貼り方には2種類あり、深目地と浅目地です。
深目地というのは、貼られたタイルを真上から見て、タイルとタイルの間のセメント目地が奥まって深い所に見える仕上げです。
タイル1枚1枚の凹凸感が出て、豪華な仕上げに見えるという特徴があります。
これに対し浅目地というのは、目地が手前まで来ている、隣り合ったタイル間の目地がタイル表面と同じくらいの高さまで埋まっている仕上げの事です。
目地がタイル表面まで来ているので、当然ですが深目地よりも強度があります。
タイルとタイルが目地でガッチリとスクラム組んでいる感じです。

地球に重力がある限り、タイルは落ちるのです。ですから施工段階で落ちないように接着しなければなりませんし、またもし落ちたら危険な場所にはタイル貼りを避けなければなりません。
例えば、人や車がその下を通過するような、天井や梁底には貼るべきではありません。
一般的には塗装よりタイル貼りの方がより良い仕様であり、その分豪華に見え、建物のステータスが上がるみたいに思われている節があって、見栄えばかりを気にする設計士さんはこれらの危ないところにも、タイルを貼ってしまいます。

もっと悪いことに見栄え重視の設計士さん、売り主さんは5㎝×30㎝程度のタイルでなく、30㎝×60㎝という大判タイルを玄関エントランス周りに貼っています。
このような大判タイルは、もし剥落してたまたま下を通りかかった人の頭の上にでも落ちたら大事故になりかねません。
そうならないように施工段階で金具を付けて剥落しないようにするのですが、残念なことにそのような仕様となっていないマンションがアチコチにあります。
その大判タイルの剥落事故が結構増えています。

金具を使っているか?いないか?は、見ただけじゃわかりませんし、残念ながら建築士さんでも分かりません。
それなのに、何故かつぶやき主にはわかっちゃうから、・・・・不思議です。