マンション管理士の独り言・・・875

「資産価値の落ちないマンション」

遅ればせながら「明けましておめでとう」です。
年末にプリンターが壊れ、用意していた年賀状は全てインクジェット用でしたので、コピー機では使用できず、テンヤワンヤしました。
相変わらず正月はすることがないので、神社周りに精出しました。
北九州市内を東は和布刈神社、西は黒崎岡田宮まで12社を自転車で走破しました。

1月1日に100円拾いました。
以前なら、“正月早々から縁起がいい、今年はお金に縁があるぞ”って思うところですが、“これで今年一年の運を使い果たしてしまった”と思ってしまい・・・情けない。

寝そべってテレビを付けていると、以前のわが会社、新日鉄興和不動産(つぶやき主が在籍していた時は、日鉄ライフ、その後新日鉄都市開発)のテレビコマーシャルに出会いました。
何でも「資産価値の落ちないマンションランキング」の1位だそうです。
どういう風に統計とればそのようなランキングが出るのか分かりませんが、信用に足るランキングではないと思っています。

資産価値が落ちないという事は、新築購入時の価格と中古で売り出した時の価格の減額割合を示しているのでしょうが、中古マンションの価格は基本的に需要と供給のバランスで決定されます。
そのエリアで中古マンションの供給が沢山あれば、それだけ競合物件が多いことになり、その分金額を下げなければ売れません。
反対に中古マンションの供給の少ないエリアならば強気の価格設定も可能です。
また、売主さんが“とにかく早く成約したい”というのならば低めの価格設定となりますし、“少しでも高く売りたい、時間がかかっても構わない”ならば高めの各設定になります。
その他、近所に大型スーパーマーケットが出来れば価格にはいい影響を及ぼしますが、反対に中学校が荒れたとか、粗悪施設が建ったとかがあればマイナス要因になります。
その他いろんな要因で中古マンションの価格は決定されるので、ブランド名はそんなに関係ありません。
住戸マンション査定表にも、ブランド名なんて項目はありません。

なぜ、かつて勤めていた会社にこんなに憎まれ口を叩くのかというと、「損か得か?どっちが儲かるか?損をしないか?」というモノサシでマンションを考えてはいけない、ということを分かってほしいからです。
そりゃあ、資産価値が落ちるより落ちない方が良いに決まってますが、マンションを買う人はそこに住まうつもりで買うのです。
家族で快適な生活を営もうと考えて35年ものローンを組んでまでマンションを購入するのです。商売ではありません。

たまたま転勤などでマンションを売りに出さなきゃいけなくなった、その時に結果として、マンション購入時より価格があまり下がっていなかった、と言うのならばOKですが、分譲当初から資産価値が下がらない、ということを売り物にする姿勢は売主として如何なものかと思います。
そうまでしないと売れないのか?なんて思っちゃいます。

姑息な手法を使うな。王道を進め、と後輩たちに、「月に代わって、お仕置きよ」