マンション管理士の独り言・・・879

マンション管理士の独り言・・・879

「理事長の役割」

理事長は区分所有法上の管理者となり、損害保険の保険契約者となり、工事発注者となり、更には総会に関して言えば、総会の招集権者となり、多くの場合総会の議長となり、・・・
訴訟提起の場合の・・・その他、沢山の役割があります。
こんなに任務があって大変だと思っても、これらは規約に規定されているものだけであって、実務的にはこれだけじゃありません。

その中でも大きな役割が、ご挨拶業務です。
建物の補修が必要になり、敷地内の駐車場の移動が発生する場合に、移動していただかなければならない住戸の方へ、工事業者を伴ってお願いにお伺いしなければなりません。
「○○の補修工事を行わなければならないのですが、どうしても貴方様が停めている○番の駐車区画が足場などの関係で停められなくなってしまいます。ご不便でしょうが、工事期間中は近隣の△△駐車場へ停めてください。領収書をいただければ後日清算させていただきます。ご協力よろしくお願いします。」という感じです。
理事長さんがわざわざ訪問してお願いしているのに、邪険に扱う人なんていません。
これも理事長さんの大事なお役目です。もっともつぶやき主の場合は、つぶやき主が代わってお伺いしていますが・・・。

施工業者単独で説明に行かせたりすると、いくら業者さんが低姿勢で丁寧なご説明をしても、「管理組合から誰も挨拶に来ないじゃん」ってクレームになることがあります。
駐車場を移動していただかなくてはならないのですから、代替え駐車場を用意するのも管理組合のお仕事です。
これを移動される方に丸投げして、「どっか代わりの駐車場を探して停めて。領収書もらえれば後日清算するよ」ってな調子でやってしまう理事長さん結構な数いますので、後始末が大変です。

順番が回ってきて“あみだくじ”で理事長職を引いちゃったから仕方なく理事長やってるのに、その上挨拶回りなんてさせられたら、やってられない、って声が聞こえてきそうですが、管理組合の円滑な活動のためには必要なことです。辛抱辛抱。

ここからはグッと真面目な話です。
お世話しているマンションで孤立死が発生しました。
70歳くらいのまだまだお元気そうなおじちゃんだったのに、お気の毒です。
通帳などが閉鎖されますから、来月から管理費や修繕積立金の滞納が始まりそうです。
管理組合としてやらなければならないことを模索中です。
警察署や区役所に連日通っています。

お亡くなりになられた方には申し訳ない言い方ですが、このマンションの管理組合にとっては厄介なことが発生しました。
しかしこの方のためにも管理組合のためにも、最善・最短の手法で解決しようと考えて行動しています。
そして今回の経験をベースにマニュアル化しようと考えています。
「分譲マンションで孤立死が発生したときの管理組合の対処法」みたいな表題です。
このマニュアルは北九州市にも提供しようと考えています。

鍛えられています。

個別にお聞きになりたい方は、メールなりお電話をお寄せください。